第2章 反逆の少女たち
第22話 四魔女の一角:エレノア・ラン
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像が判らなくなってしまったのだ。
消去法であれば、最後の1人である可能性は高いが、手口が違いすぎている為。その線は薄くなっている。だが、現に彼女はまだ行方不明のままなのだ。
「……ん、もう一度町を探してみる」
「あ、私も行く」
「いや、マリアは町の人たちの事を頼めないか?マリアの知識は町を元に戻す為には必須だろう?」
「あ……いやー照れちゃうけど、でも、チサちゃんが……」
「任せてくれ。信用できないか?」
「……な訳無いでしょ? ユーリさんだもん。ランスなら兎も角」
マリアはチサを見つけた途端、ランスが彼女を襲っている姿が即座に浮かんだのか、頬を膨らませていた。随分と露骨なのである。
「やれやれ。オレはそろそろ行くよ。あと、ランの事も任せた」
「うん。任せといて!」
マリアはグッと拳を握ってそう示した。ユーリが安心して、ここを出ようとした時だ。
「どーもー、こんにちわー!神に仕える聖職者。ロゼさんが来たわよ〜〜!」
「んげ!!」
まるで、タイミングを計ったかのように、現れたのはカスタムの町の恐るべきシスター・ロゼだ。
「まぁ、ご挨拶ね、人の顔みるなり『んげっ』って。この聖職者を捕まえて」
「……誰がだよ。聖職者というより生殖者だろ。ロゼの場合。……相手は人間じゃなさそうだが?」
「いやー、まーね? 昨日もずっこんばっこん大変だったわよ」
「そんなん知らん」
引き攣った笑みを浮かべつつもスムーズに対応しているユーリを見て、凄いと感じているマリア。
「いや、でもね。彼女達を助けてくれた事は、一応感謝してるんだよ? 私も」
「一応ね。その言葉が付いてるから、本心だと思えたよ。逆に」
「いやー、私もこの町で食ってるからね〜仲間は大切にーっヤツだよ」
ゲラゲラ笑っている彼女。本当に相変わらずなのである。
「ま、色々と聞いてるわ。マリアも無事で何よりってね」
わざとらしく祈るポーズを決めたロゼ。中身を知っていないと、読めないだろうけど。……否、格好を見たら大体は読めるだろう。
「あはは……、ロゼさんにもご迷惑をおかけしました」
「いーや、私 神魔法一応使えるし? 金も取れるから結構ウハウハだったんだけどね? 実は」
「それ、言わなくていいだろ……」
「あははは、ロゼさんとは、私達も付き合い長いからわかってるって、ユーリさん」
「ああ、そうだったな」
ユーリはそう言い笑っていた。
この町でシスターをやっている以上。自分よりはるかに付き合いが長いのだろうと思えるからだ。
「それより、ロゼは何しに来たんだ? 計ったように来たって事はオレ達に用事があるのか?」
「えぇ勿論勿論、よし! 聞いて驚けユーリ!」
「ゴクリ……」
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