第2章 反逆の少女たち
第22話 四魔女の一角:エレノア・ラン
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い。オレは、オレは強くなってみせる。皆を守れるくらいに。シィルさんを……」
好きになった、惚れたは本人次第だから、いくら強くなっても伴わないと思えるが、口にするのは野暮だとやめた。
「じゃあな。ほら、帰り木だ。鍛える前に無事に町へと帰れ」
「重ね重ね、ご好意痛み入ります。今度会える時には、きっと……強くなってきますので」
バードはそう言うと、血が止まった傷口から手を放し、そして握り締めてそう言っていた。ユーリは、その決意は立派だと、思いその姿を見送っていた。そして、遅れながら4人と合流を果す。ランスから文句が言われるかと思ったが、何も無かった。どうやら、バードとのやり取りをここで少しでも言われるのは嫌だから何も言わなかったのだろう。……もしくはシィルを弄っていたから、かもしれない。
現に、今グリグリ〜と拳で頭を締めたり、胸を揉んだりしているのだから。
「……遅かったわね。さっきの人、大丈夫だった?」
「ああ、大丈夫だ。帰り木も渡したし ここから出てる姿も見た。今後、どうなるかだけは本人次第だがな」
「……本当に優しいんですね、ユーリさんは」
「何、ただの情けをかけただけだよ。結果的にはオレ達で助けたけど、それまでは彼が仲間を助けてくれたんだしな」
マリアとランの言葉に、ユーリはそう言って笑っていた。照れてもおかしくないと思っていたのだが、その表情は柔らかい。初心な感じが全くしなかった。だからこそ、彼は間違いなくこのメンバーの中で一番歳上なんだと、改めて理解できていた2人だった。
〜カスタムの町〜
一行は、一先ずカスタムの町へと戻っていた。
男性陣は、体力的にはまだまだ問題は無かったが、女性陣たちはそうはいかないだろうとした配慮である。……はっきりとそうは言わないと思えるが、ここでもランスなりの優しさが出ているのだ。
町長の屋敷にて
「……ラン君、良かった。無事に戻ってきてくれたのだな」
「本当に……本当にごめんなさい。私のせいで……」
ガイゼルは、泣き崩れている彼女を慰めていた。
娘がいない事で、かなりやつれている様子だったが、腐っても町長。町の仲間であるランがいつもの優しい彼女に、そして優しさゆえに涙を流しているのを見て、自分ばかり嘆いていられないのだ。
「……チサちゃんが気がかりだな。ランも知らないと言ってるし、手口も違うとなれば」
「そうよね……、私達は指輪に操られているも同然だったけど、つけてる間の記憶が無くなる程じゃないし」
一緒に付き添いで来ていたユーリとマリアがチサに付いて考えていた。2人は、寝室から外に出たところでいた。
チサが攫われたのは状況から見て間違いないだろう。
だが、その犯人
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