第2章 反逆の少女たち
第21話 四魔女の一角:ミル・ヨークス
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「ぐふふ、そうか、アレがミル。間違いなさそうだな。彼女も美人ではないか!」
「やっぱり、お前はまずそこなんだな?」
「当たり前だ。それがまず重要! 最重要項目だろう」
「んな、欄は無い」
ランスとユーリが暫く言い合っていたが、その間、ミリとミルも言い合いをしていた。
「こら!! ……いい加減にしないと、お尻ぺんぺんじゃすまさないよ!」
「ひぃ……」
「……お尻? 子供じゃあるまいし……」
声を荒げるミリ。
どうやらその気迫に圧されたのか、はたまた 本気で怖がっているのか判らないが、子供染みているというのが、この時の感想だ。ミリもなぜそんな言葉を選んだのかにも疑問が残る。
「な、なによ! そんなのなんか、怖くなんか無いもん!」
「ミリ、聞いて! その指輪をずっとはめていると、貴女の為にもならないの。お願いだから、話を聞いて!」
マリアも一歩前へ出てそう叫ぶが、ミルは身体を震わせて怒鳴った。
「みんな、みんな嫌いだ!! 私をのけ者にして、マリアもお姉ちゃんもだいっ嫌い!!」
「がははは! 怒られてるのだから仕方が無いだろう! オレ様がお仕置きをしっかりとしてやらねばならんな!」
「ぁ……、ランス? ミルは……」
「幻獣さん!! みんな、来て!!」
マリアがランスに何かを言おうとした時だ。ミルは手を前に突き出すように翳した。すると、亡霊に似た存在、ミルの前に幻獣が現れた。その姿は、青白く、手の部分には鋭い爪を持ち、得物を見定める為の目がギョロリと動いている。
「ふん! たった1体でオレ様をとめるだと? 身の程知らずだな。世の中の広さと、大人への階段の上り方を教えてやろう!」
「たった一体? ふふん、勘違いは止めてよね! そんな訳無いじゃない!」
剣を抜きながら、ミルに挑発するランスだったが、挑発に乗るような事は無かった。
子供染みた性格から、乗ってくるのかと一瞬思ったが、真逆であり、勝ち誇っている様な表情にも見える。その表情の意味をこれから知ることになるのだ。
ミスは翳した手をそのままゆっくりと横へとスライドさせる。
すると、その手が通った後、まるで空間を切り裂いたかのような筋が通り、そこから次々に幻獣が生み出されていくのだ。
それは、時間にして、2、3秒の出来事。
たった2,3秒で、合計5体もの幻獣を生み出したのだ。
「たった、数秒であれだけの幻獣を呼びだしたというのか!?」
「これが、指輪のせいなのよ! 本来、召喚系の魔法もそうだけど、幻獣の召喚はこんなに簡単に出来るものじゃない!」
脅威的な数と速度に驚きを隠せない2人。
その光景がミルを満足させていた。
「ふふっ! 今のミルはたくさんの幻獣さんを呼び出
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