第2章 反逆の少女たち
第21話 四魔女の一角:ミル・ヨークス
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だが、今はアレだからな。兎も角研究熱心も良いが、周りにも目を向けろよ?」
「ぁう……、返す言葉もございません」
ユーリは軽くマリアの頭にデコぴんをしていた。そして、ミリが続く。
「ま、そのおかげでオレは助かったがな、だけど、気をつけないと周りだけじゃなく、自分にも災難が繰るんじゃないか?」
何の話?と一瞬聞こうとした。
だが、即座にその考えをシャットアウトした。戦いも沢山あって、ミルも助かったし、記憶の彼方へ忘れ去ろうとしていたのに。
「本当にランスがあの調子で良かったな? 鮮明に説明されるところだったぞ?」
「うわぁぁん!! 鮮明に言われなくても思い出しちゃったじゃな〜〜い!!」
「なら、気をつけろ」
「うぅ……、はい」
「ははっ!」
ミリはそんなやり取りを笑顔で見て、そして懐から帰り木を取り出しミルの手を再びぎゅっと握った、もう離さないといわんばかりに。
「短い間だったけど、お前らと一緒に冒険できて、メチャクチャ楽しかったぜ。ユーリ、ランス、マリア!また町に来たらよってくれよ!オレ達は薬屋もやってるからな!」
「ああ。また町に戻ったらよらせて貰うよ」
「うん! ミル、また会おうね? 勿論≪皆一緒≫に!」
ミリとミルは、そのまま帰り木の効果で、町まで帰っていった。マリアに、ミルの指輪。白色に輝くフィールの指輪を託して。
「よーし! 何にしても後2つ! 半分来たよ! さ、いざ4層に! ランの所へ!」
「あんな、ガキンチョを……オレ様の守備範囲は15からの筈が……」
マリアが力いっぱい宣言するが、ランスは当分帰ってこない様子だった。だが、そう言うわけにもいかないだろう。
「ほらほら、とっとと調子を戻せって。ずっと落ち込み続けるなんて似合わない事しないで」
「うるさい……、ガキには判らんのだ。ガキに手を出した男の事など……」
「……こんな調子でも人を怒らせるのが得意な男だな!」
四っ角を頭に一瞬で数個出来る程のクリティカル攻撃だが……、ランスの状況が状況だから取りあえずなにも言わなかった。
そして、そんな時だ。
『……ス、さ……たすけ……、おね……ます……』
「「!?」」
それは消え入りそうな声だったが、確かに響いてきた。この先、下の階からだ。
ランスもその≪声≫を聞いた以上は何もしないわけない。
「ランス、今の声は……」
「シィルの馬鹿だ! 行くぞ! お前ら!!」
「えぇ!! いきなりなに?? なにか聞こえたの!?」
先ほどまで、抜け殻の様な姿だったが、そこから一転、剣を握り締めつつランスは下の階へと向かって走り出した。本人は決して認めようとはしない。
だが、ランスの、……彼の中でシィルがどれだ
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