暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第14話 いざこざ
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立つという状態で。
勝者はもちろん俺だ。
デュエルの内容は至ってシンプルなものだ。
デュエルが始まる前に神速スキルの《2倍速》を発動しておく。
そして始まると同時に最高速度に加速し、その状態でブロードを斬り減速と停止を同時に行い止まる。
簡単に言うと全力で走り、ブロードを軽く斬り、そしてブロードの後ろで止まる。
高い敏捷力と筋力があっての為せる技だ。
観客には瞬間移動したように見えただろう。
恐らく、今の一連の動作を目で捉えることが出来たのはこのデュエルを見ている中でただ1人しかいないだろう。
少しの静寂のあと一気に歓声が湧き上がった。
そんな中、1人の少女がこっちに来て話しかける。
「相変わらず速いね。カゲヤ君は」
「サキか。神速スキルのおかげでな」
「気付いてたなら話しかけてくれてもよかったんじゃないの?」
サキはジト目で俺を見る。
「確信がなかったんだ。それにいざこざが起きてたし…」
「でも、神速スキルを使ったってことは私だってわかってたんでしょ?」
「う……」
俺はバツが悪そうに目を逸らす。
「やっぱり凄いですね!カゲヤさん!」
後ろから感激の声が聞こえ振り向く。
そこにはジョンとパーティーのメンバーがいた。
メンバー達も凄いといった感じで見ていた。
「今度、手合わせしてくださいよ!」
「時間があったらな」
「はい!」
ジョンは子供のように喜び、パーティーメンバーに自慢するように話す。
「じゃあ、俺たちはもう行くな」
「あ、はい。またお会いしましょう!」
「あぁ」
そう言うと、俺の後ろに隠れているサキに話しかける。
「行くぞ、サキ」
「……うん」
俺はサキを連れてなるべく人気のない場所まで移動する。
その間、サキはずっと下を向いて俺の服の裾を握っていた。
ある程度人気のない場所まで来ると近くのベンチに座る。
サキも隣に座るが裾は握ったままだった。
「サキ、もしかしてまだきついんじゃないのか?」
その問いにサキは笑みを浮かべながら答えた。
「あはは……どうしてわかったの?」」
「無理して笑ってるように見えたんだ。それに、すこし震えていたからな。もしやと思ったんだ」
そこで間を置き俺は続けた。
「それにジョンが…デュエルのあと話しかけてきた男だが…来た時、俺の後ろに隠れたからわかったんだ」
サキは俯く。
何も言わず、ただただ俯く。
「今日はもうホームに戻って休んだ方がいい。送って行いくよ」
「うん。ありがとう」
俺はサキの手を引きながらサキのホームへ向かった。
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