暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第20話 悪魔の悲鳴
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リも自身の身に起きたことが全く理解できずに、ただただ唖然とした。まるで、周囲の時が止まった。そうとしか形容できないからだ。
 燭台に灯っている火。先ほどまで揺らめいていた筈なのに、今は全く動いていない。

 そして、目の前の男、ランスも同じだ。

 彼が装備していたマントがはためいていた筈なのに、それが宙で止まっているのだ。

『……起きろ。……その程度で、死ぬ玉じゃないだろ』

 また、あの声が訊こえてきたのだ。ランスはイラついている様だが、まるで動く気配も無い。

「……ふはっ! まさか、まさかな。ここで御主と出会うか? クイズ以外にも まろに楽しみを増やすと申すか?」
『……そんなつもりは毛頭ないが、な』

 2人の男の会話だけが聞こえる。片方は知らない声、だが、もう片方はありえない声だった。

「(んが!! あの猫モドキめ!! 死んでなかったのか!!)」
「(そんなわけあるか……どんだけ刺したと思ってんだ? 生きてる筈ない……、これは白昼夢か?)」

 ミリとランスは、ただただ困惑していた。どうやら、ランスとミリは意思疎通が出来ている様だ。

『……と言う訳だ。声に出して言うのも色々と面倒が生まれるかもしれんのでな。……考えが判ったか?』
『勿論おじゃ。しかし、思い切った事を考えるおじゃね?……それが生むのは再来じゃぞ? あの悲劇の……』
『次は無い 起こり得ない……その為に悠久の時を過して来たんだからな。お前よりも』
『……まろはこれ以上何も言わん。御心に任せて突き進むがいいと思うでおじゃ』

「(おいコラ!! わけわからん事言う前に戻せ!! オレ様をもーどーせーーー!!!)」
「(……)」

 ランスはまだまだ、頭の中で暴れているが、ミリはただ、成り行きを見守っていた。話はさっぱり理解できないが、この場所から抜け出れないのだけは都合が悪い。ただ、早くに終われとだけ思っていたのだった。



「もーーどーーせーーーー!!!」
「わぁぁっ!! ど、どうしたって言うのよ! いきなり!!」

 ランスの突然の大声に驚いていたのはマリアだ。ランスは、以前にもこんな事があったな?と思っていたが、とりあえず今は頭に血が上っている?みたいで忘れていた。

「うがああ!! オレ様を固めていたのは誰だ! お前か!」
「……なんだってんだよ、とりあえず落ち着け」
「そうよ……ほんとに訳わからないわね」
「何をーー! マリア、さっきまで、ヒィヒィ言ってた癖に」
「きゃ、きゃああああ!! 思い出させないでよ!!!」
「……ま、オレは楽しめたがな? 良い思い出の一ページだ」
「そんなの、即刻 削除してよ!!」

 一行はこんな感じでうるさかったが、ランスも粗方、マリアを弄くってて、満
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