第2章 反逆の少女たち
第19話 マリアの受難
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「ん? どうかしたのか?ユーリ」
慎重な姿勢を崩さないのがユーリだった。
他のみんなは何処か気さくに話てくる男に毒気抜かれたようだが、ユーリはただ一点を見つめていた。
そう、ミイラ男の挙動をだ。
だが、ランスの後ろ、ミリの傍でいた為ミリはユーリの事に気が付いたようだが、他の2人は気がついていなかった。
「……あっきらかに、警戒してるね、びんびんに。そんな 力入れなくて大丈夫だよ」
だが、ミイラ男はユーリの視線にどうやら気がついているようだ。
「ふむ、惚けた振りをしているが、やはり只者じゃないって事だな」
「え? どう言う事?」
ユーリが一歩前に出てそう言っていた。マリアは判らないようで、ユーリに聞く。……ミイラ男、確かに傍から見たら、いや言動を聞いたら ただの薄汚いモンスターだ(ランスならそう言うだろう)。だが、明らかにそれを隠れ蓑にし、真の実力を隠している様に見えたのだ。確かに警戒はしていたが、そんなあからさまにしている訳でもなく、表情もランスの影で見えないようにしたのだが……、ミイラ男は雰囲気と其々から発している気を頼りに見切ったのだろう。
「警戒心を読み取られたって事だよ ただのミイラ男にそんな芸当できるとは到底思えなくてね」
「はは、こりゃ一本とられたな。このわしを試した気配だった、と言うのか。最近の若者はやるやる」
ミイラ男はユーリの意図に気がついたようで、からからと笑っていた。
「生前、まぁ 200年も前だが、お前さんのような部下が欲しかったよ」
「に,200年? ま、まぁミイラ男だし、棺だからそれくらいは立ってるって思ったけど……」
「なんだ? その基準は、100だろうが200だろうが、ただのジジイミイラ男に違いないだろう! がははは!」
「ま、否定はせんよ。ただのミイラジジイで良いさね。ワシはそれより砂漠の真ん中にあった筈のここがいつの間にか、こんな地下におったこの事が不思議でたまらんのじゃよ」
ミイラ男は、そう答えた。
その言葉にマリアは、はっとして口元に手を当てながら話す。
「ご、ごめんなさい……。それは、私達が魔法で移動させたせいなの」
「んん? 魔法で移動させた? ほほー 凄い。お嬢ちゃんは若いのに凄い魔法を使えるようじゃ」
「……ん? 砂漠。と言う事はこのピラミッド。ひょっとして、リンゲル国のものなのか?」
ユーリは、ミイラ男の言葉の中にある砂漠と言う単語を聞いて、リンゲル国の事を思い浮かべていた。もう、今は滅びてしまったが、嘗て自由都市圏内にあった国のひとつ。砂漠に聳え立つリンゲルと言う国があったと言う事を、文献で知っていたのだ。
「おお、知っておるのか? そりゃ、嬉しいのぉ。確かにそうさね。ワシはリンゲル
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