暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第19話 マリアの受難
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て、当然それは却下されていた。

「とりあえず棺の中は調べるとしよう。金目の物があるかもしれん」

 とりあえず、と言う事で ランスは、マリアと共に棺を躊躇せずに思いっきり空けていた

「罰当たりな……っと思ってみたが、別に、呪いの類を信じているわけじゃないがな」
「オレも同感だ、悪霊的なのが出てきたとしても倒せば済む話だし」
 
 ランス達を横で見ていたユーリとミリは互いにそう言っていた。ユーリもミリも、剛の者であると言う事がわかる内容だった。

「うーむ。金目の物は無いな。む! オレ様が何故こんな事をしなきゃならん!」
「いやいや、勝手にお前がやりだしたことだろ?」
「あー、ミリ。突っ込んでも意味無いぞ? 実体験上の話」
「そうなのか?」
「あー、私もそう思う」
「お前ら喧嘩売ってんのか?」

 ランスの事は大体わかりつつあるマリアと、何だかんだと言っても付き合いもそこそこなユーリはミリにそう言っていた。ランスは腑に落ちないようだが、そろそろ自覚した方が良いと思う皆であった。

 とりあえず、マリアも大体満足したようで、この場を離れようとした時。
 ユーリは、不意に何かの気配を感じていた。気配の根源はこの道の奥からだ。

「……何かいるぞ」
「なんだと!? ミルか!!」

 ユーリの言葉にランスが反応し剣を構えた。ミリも自身の妹がいるかも知れないとランス達に続く。

「ミル! 絶対に助けてやるからな!」
「あっちって……、あの部屋?」

 4人が行き着いた奥の部屋。
 そこにあるのはたった一つの棺。だが、明らかに他とは違うものだった。他の棺は埃を大量に被っており、はっきり言って薄汚いイメージが強い棺なのだが、この棺は埃の後が殆ど無く装飾も施されている。
 どこぞの王様の棺……といったイメージだろうか?そして、気配の正体の根源がわかった。その棺にはミイラ男が腰をかけているのだ

「きゃっ! み、ミイラ男!?」
「なんだと!?!? ……おい! ユーリ! ミルでは、ないではないか!!」
「誰がミルがいるって言ったんだよ! 何かいる……としか言ってないだろ!」
「そんなことより、あのミイラだろ? お前ら。ピラミッドだからってそんな変わったもんまで出てこなくていいのにな」

 ランスは相変わらず理不尽気味にユーリに怒り、ユーリはランスに言い返していた。ミリは妹のミルじゃない事にやや落胆気味だったが、警戒を決して解かず、ミイラ男に剣を向けていた。

「ああ、身構えなくていいさね。戦いつもりなんてない」

 ミイラ男は普通に話をしてきた。どうやら、言葉は話せるようだ。

「なんなのだ? 貴様は」
「なに、ただのミイラ男、この棺生活に満足してる平和なミイラ男さ」
「………」

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