第2章 反逆の少女たち
第18話 鏡の御指示
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シィルが脱出に向けて動き出していたその頃ランス達はと言うと。
〜迷宮≪地獄の口≫ ピラミッド迷宮〜
場所は、迷宮の地下三階。
普通であれば、同じような光景が広がっていく筈なのだが、今正にシィルたちと同じ様に、風景が違っているのだ。
「随分と様子が変ったようだな……、洞窟、と言うより……遺跡だな」
ユーリは、周囲を警戒しつつ探索を続けた。
そして、結局帰る事をかたくなに拒んだマリアを渋々と、引き連れた3人。渋々、と言うよりマリアがランスのマントを離さなかったから……と言うのもあるだろう。そして、明らかに人工的な迷宮を進んでいく。
「ユーリさんの言うとおり、ここからは遺跡、ピラミッド迷宮になってるわ」
「ふむ。そうだな、嫌に砂っぽいと思ったがそうだったのか」
「突然に迷宮内部の風景が変るって事は、空間と空間を無理矢理捻じ曲げてつなげてる……ってことなのか」
ランスは、脚で砂を蹴っ飛ばしつつ、進み。ユーリは、ピラミッドの作りの基礎である石部分を触りつつ確かめている。
「これまで、突然に景色が変る……って言うのは無かったわけじゃないが……自由都市では初めてだな」
「ん、そこには理由があるのよ」
マリアが答えてくれる。
よくよく考えたら、マリアは当事者だ。本人に聞いたほうが確実だろう。
「ここの迷宮は、元々第2層まで。場所的には私が支配していた研究室風の場所までしかない小さな迷宮だったの。で、ラギシスを殺した後にこの迷宮を拠点にすることにしたんだけど、それには少し小さかったから魔法で迷宮を拡張したの」
「なるほど……」
「では、ここは貴様らの誰かが作ったと言うのか? 随分と趣味が悪い残り3人の中で輩がいるのだな。砂っぽいし埃っぽい。ピラミッドと言えば、ミイラとかでそうではないか」
ランスは、辺りを蹴っ飛ばし、乱暴に進みながら文句を口にしていた。だが、マリアは首を横に振って否定する。
「違う違う。一から作り出したわけじゃないの。他の場所から魔法で持ってきて追加した迷宮なのよ。だって、一から構成しようとしたら、途方も無い時間だってかかるし、何より大魔法に位置される力だから。ちょっと難しくて……」
「別空間と別空間を繋げてるんだ。それ自体で十分大魔法じゃないか。それも、その指輪か?」
「ええ、そうよ。フィールの指輪のおかげ。私達の中で一番魔法の才能があるのは、志津香だけど……、流石に志津香を入れた皆でやっても素の状態じゃ、こんな真似できないわ」
マリアはそう説明する。元々あった迷宮を改造する。それ自体は、多少の才能と腕に覚えがある魔法使いならば可能だ。……だが、無から有を作る。一から迷宮を手がけるのは話は別。構成から材質まで、全てを手がけなければならない為
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