第2章 反逆の少女たち
第17話 神隠し
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やって使うものなんだ?」
「これはヒララ鉱石をエネルギーにして爆発的な破壊力を生み出し、それを相手にぶつけるの」
マリアは腕を組んで考え込む。そして、判りやすい例えを思いついたようだ。
「そうね。判りやすく言えば、雷撃の魔法なんかより遥かに威力を出せる武器だと思っていいわよ」
「それは凄いな。初級の矢じゃなく、雷撃以上か……。中級の魔法を」
そう、雷撃と言えば雷系の中級魔法の代表格のものだ。それだけの威力を誰にでも出せるとなれば、確かに戦いの歴史は塗り替えられる可能性が高いだろう。ユーリの驚嘆しているのを見たマリアは気を良くしたようだ。更に高々とチューリップを掲げ上げた。
「ふっふっふ〜、夜も寝ないで、でも昼は寝て作った私の自信作よ! このチューリップとヒララ鉱石があれば、魔法が使えなくなったって、役には立てるんだからね!」
「がはは! シィルの馬鹿がいなくなって、後衛不足だったが、これで代わりが出来たな」
「ええ、任せて! そう、≪ヒララ鉱石≫さえあれば、モンスターなんか、ちょちょいのちょいなんだから! あの時のラギシスのとどめもこれがあったら、私がしてたんだからね!」
「………」
なんだか、違和感がしていた。そして、マリアが話せば話すほどに違和感が増す。さっきから、言い回し方がおかしいのだ。
そして、ユーリの頭の中にある、アイテム・データ一覧を捲った。
≪ヒララ鉱石≫それはそれなりに貴重な鉱物であり、元々簡単に手にはいる物でもないのだ。
「がはははは!!」
「うふふふふ!!」
高笑いしているのは大いに結構だが……、完全に不審に思っているユーリは訝しげな視線を送って、遂にマリアに問いかける。
「それで、……あるのか?」
「ッ!? な〜にが?」
「決まってるだろう……。ヒララ鉱石だよ。ヒララ鉱石」
ピタッ! とマリアの声が、笑い声が止まった。漸く異変に気がついたのか、ランスもユーリと同じようにマリアを見た。2人の視線を感じながらマリアは満面の笑みで元気良く答えた。
「ありませーーん!」
「はい。お前帰れ。いらん!」
「そうだな。ランス。シィルちゃんとさっさと合流しよう。シィルちゃんを入れた3人で乗り込むぞ」
「うむ。そうだな。ドジとは言え、シィルのが役に立つだろう。マリアなど最初からいなかった」
迷宮へとドンドン入っていく2人。
だが、マリアはランスのマントを引っ張って食い下がった。
「ま、待ってよォォ! 置いてかないで〜! 絶対、絶対に役に立つからっ! これ、大分頑丈だから直接敵を殴っても十分痛い筈だから!」
「確かにそりゃ痛そうだが。それじゃこんぼうと変らないだろう」
「そうだ! お前が原始的武器と言ったこんぼうとまるで変らんでは無いか
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