第2章 反逆の少女たち
第17話 神隠し
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いつもならそこまで気にしないのですが……、さすがに今の状況では心配ですので」
「ん、判った。……が、今までも同じじゃないのか? 町の女性だって既に何人か攫われているんだし」
「それが……状況が微妙に違うんです」
「……聞かせてもらえるか?」
真知子の言葉にユーリは表情を引き締めた。真知子が家の中で言わなかったのは、これ以上は妄りに不安感をガイゼルに与えたくないと、思って外もで来たようだ。
「これまでの誘拐は、町のモンスターが襲った際に一緒に連れて行く。……そう言う手口だったんですが、今回は明らかに違います。忽然とチサさんが消えてしまってるんです。モンスターの情報も入ってませんでした」
「……成程。確かに不自然だな」
誘拐の手口が違うという事は、犯人が違う可能性が高いのだ。……四魔女以外の誰かと言う可能性があると言う事だ。
「迷宮の傍で買い物籠……なら、情報が入ってなくてもおかしくないんですが、あんな場所で、……入らない筈が無いんです。……この誘拐事件、かなり異質なんです」
「ありがとう。真知子さん。良い情報だ。それに今日子さんに関しては任せてくれ。見つけ次第保護しておくよ」
「はい。宜しくお願いします」
頭を下げる真知子。どうやら、チサの事も妹の事もとても心配しているようだ。普段の彼女はクールだから誤解されそうだけど、妹思いなのである。
「さて、そろそろ地獄の口へと向かわないとな。とと、そうだった。真知子さん。ラギシスの事、頼めないか?」
「はい。任せて下さい。調べておきます。……ユーリさんとランスさんもどうか、お気をつけて」
「ああ。大丈夫だ。それより、そんな誘拐が起きたというのなら、心配だから情報屋へ送っていこう」
「ありがとうございます! ……ロゼさんの事、今聞いてもいいんじゃないです?」
「そんなにっ!? ……はぁ、距離が距離だからな。そんな短い話ってわけでもないし……。簡略していいなら言うけど?」
「ん〜……我慢します。ちゃんと聞いてみたいので」
「なら、行こう。……オレ的にはちと、複雑だが……早く解決する事にこした事は無いから」
〜カスタムの町 地獄の口前〜
「さて……、まだ来ないのか? 2人は」
迷宮の前にやってきたユーリ。
情報屋へ寄ったユーリだったが、どうやらまだ2人は到着していないようだった。その代わりと言えばなんだが、よくわからない老戦士がいただけだ。てきとうに愚痴を聞いてあげたと思えば、いつの間にか何処かへ行ってしまった。とりあえず、見なかった事にしていて、それから数分後の事、漸く2人が揃って地獄の口へとやってきた。
「すみません、待たせちゃいましたね」
「何、オレも情報屋に寄っていたし、それ程でもないさ。
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