第2章 反逆の少女たち
第17話 神隠し
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明らかに不自然であると言える。すると、ガイゼルが買い物籠を手に持って再び騒ぎ出す。
「こ、これはチサのもの……チサの……、うわぁぁぁぁ!!! チィィィサァァァァ!!!」
「ええい! いい加減にしろ! うるさいわ!!」
再び暴れるように叫ぶガイゼルにランスが拳骨をプレゼントしていた。
「……真知子さんがこれを?」
「いえいえ、私じゃなく、見つけたのはロゼさんですよ。誰のものか調べる為に態々情報屋まで足を運んで下さいました」
「……ロゼ、か」
暫く腕を組み、何処か苦笑いしているユーリ。
今回の事も考えているだろうが、予想外の名が出てきた事もあるのだろう。……が、元々彼女はこの町のシスターなのだから会っても不思議ではない。……今までが運が良かっただけだろう。
「それで、ロゼがこれを見つけたのはいつだ?」
「えっとですね……」
真知子が思い返しつつ、懐中時計を見ながら答える。
その時間がマリアがランスとユーリに破れた時間とほぼ一致した。だから、マリアがチサの誘拐を知らないのも合点がいくのだ。すると、ランスは先ほどの真知子の発言に気になる所があったようで、真剣な顔で問いかける。……まぁ展開は大体わかるが、ユーリは口を噤んでいた。
「ロゼ? それは女の名だな。美人か?」
ランスがこんな感じになるのは、決まって女の話。だ。だが、今回ばかりはランスの性格に同情してしまうユーリ。
「ええ。美人ですよ? この町の教会のシスターです」
「ほう! シスターか、さぞかし清楚な美人なのだろうな。ぐふふ……」
ランスが妄想を膨らませているが、その言葉に反応してしまうのは、この町のシスターがどう言う人物か知っている2人。
「ぶっ!!! せ、清楚って……」
「“しらー……”」
マリアは吹き出し、ユーリはあさっての方向を向いていた。会話には加わらない構えだ。
「がははは! これは第一発見者からも話を聞く必要があるな! それでは、早速向かおう! それではオレ様は教会に行って情報を得てくる! お前らは地獄の口の前で待っていろ。それとチサちゃんを見つける分の報酬は別払いだからな!」
「なな、なんと!!?」
ランスの言葉に色んな人が色んな反応を見せていた。マリアは思わず吹きだし、ユーリは明後日の方向を見て、白けていた。我関せず……といった具合だ。ガイゼルはまさかの報酬吊り上げに驚いていたが、娘の為ならばと甘んじて受けていたようだ。
「……オレは知らないぞ」
「あはは……そうですね」
ユーリは、そのままランスを見送って、真知子はユーリの言葉に同意する。
「流石のランスでも、相手がロゼさんだし……」
「てきとうにあしらわれるか、若しくはロゼ自身が楽しむか、……ま、
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