第2章 反逆の少女たち
第17話 神隠し
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来た。本当にありがとう」
「本当に良かったです。……あ、私はシィル・プラインと言います」
「僕の名は、バード・リスフィだ。君の魔法のおかげで助かったよ。……何度でも言うよ。本当にありがとう。シィルさん」
「あ……、えへへ」
シィルは普段からあまりここまで感謝される事は無かったため、慣れていなかったようだ。だから、照れてしまっている。まぁ、ランスが素直に礼を言うのは有り得ないし、ユーリは言うのだが、一緒にいる機会が少ないから、耐性も付く筈もないのだ。
そして、バードと名乗った戦士は傍に落ちていた剣を取り、ゆっくりと立ち上がって周囲を視渡した。
「……君もあの変な魔法でここへ?」
「は、はい。あの、と言う事は、バードさんも?」
「ああ、モンスターとの先頭でボロボロになっていた僕は後ろから向かっている光に気がつかなかったんだ。でもまさか、あれが転移魔法とは……」
「はい。あれはテレポート・ウェーブと言う魔法装置です。私も早くランス様達と合流しないといけない……」
シィルが不安そうに声を漏らしていた。今頃ランスは自分を心配してくれているだろうか……?いや、たとえ心配してくれてなくても、直ぐにでも戻りたい。シィルが思うのはその事だけだった。
「そうか、ならお互いの目的は一緒みたいだね、どうかな、一緒に此処を脱出しないかい? 1人より2人のほうが成功の確立が高い。どうやら、帰り木も奪われてしまったようなんだ」
「えっ……!? あ、私の道具袋から帰り木が無くなっています!」
バードの言葉に驚きながら道具袋を確認するシィル。どうやら、自分の帰り木もなくなってしまっているようだ。
ダンジョンに行く以上は必ず持ち歩いている筈だから、忘れたと言う事は無い。……つまりは、あのテレポート・ウェーブに仕掛けがしていたと考えるのが妥当である。
「それで、どうかな?脱出まで一緒に行動すると言う件は」
「あ、はい! 喜んで、宜しくお願いします」
「こちらこそ、よろしく」
2人は脱出すべく行動を共にしたのだった。
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