第2章 反逆の少女たち
第17話 神隠し
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「ほ、ほら! 足りないアイテムって、迷宮の中で見つかるものだから!それが冒険の醍醐味でしょ?? それに人生は常に準備不足で前へ進め!」
「……舐めてるな? 冒険を。んな簡単にいくのは、フィクションのご都合主義だけだ。後は漫画の見すぎ!」
ずるずるとマリアを引きずっていく。
まあ、何だかんだ言っても3人で迷宮へと向かっていった。
役立たずマリアの運命や如何に……。
〜迷宮≪地獄の口≫どこかの泉〜
迷宮内のとある場所にある泉。水が透き通っており、神聖な何かがあるのだろうか、モンスターが全く寄り付かない場所である。その泉の横に1人の女性が横たわっていた。
「(……様、ランス……様)」
魘されているのだろうか……苦しそうな表情をしていた。
「(……私を置いていかないで……かない……で……)」
泉から流れる水が頬を伝う。
そして、ゆっくりと目を開けた。暫くは意識が朦朧としていたが、水の冷たさに段々と意識が覚醒してくる。
「……ここ、は一体……そう、そうだ!私は、テレポート・ウェーブに飲まれて飛ばされてしまったんだ」
そう、この女性はシィル。
飛ばされてしまった場所がここであり、それは僥倖とも言えるだろう。モンスターが徘徊する場所に飛ばされでもすれば、悠長に気を失ってなどいられないから。だが、それほど良かったか?と言われればそうでもないのだ。モンスターは確かに寄り付かないかもしれないが、四魔女には関係無いのだから。ランスやユーリともはぐれてしまって1人で抜け出すことなんか出来るのか?
不安に押し潰されそうになっていると、ふと岩場の影から人の気配を感じた。
「だ、誰かいらっしゃるんですか……?」
怯えながらも岩陰の気配へ話しかけるシィル。だが、いつまでたっても返事は返ってこなかった。シィルはもう一度勇気を振り絞り、声を掛けた。
「も、もしかして、ランス様……ですか?」
「うぅ……ぐっ……。」
今度は返事が返ってきた。いや、返事と言うものじゃなく呻き声。声の感じからランスでもユーリでもない。だが、その感じから只事ではない。恐る恐る近づくとそこには一人の男が倒れていたのだ。容姿は整った青い髪の男。死に至るような大きな怪我は無いようだが、消耗しきっているのか、動けないようだ。
「だ、大丈夫ですか!? しっかりして下さい! いたいのいたいの、とんでけーっ!」
「んっ……く……」
シィルは慌ててヒーリングを唱えていた。
全身に負っていた傷も徐々に塞がっていき、ゆっくりと目を開いた。どうやら、自分を治療してくれているのだと悟った様だ。
「あ、ありがとう。もう大丈夫だ。……君のおかげでこの命を拾う事が出
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