第2章 反逆の少女たち
第17話 神隠し
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にするのは不便だからな。それに今のままじゃ禄に町を歩けないし。代表者である町長に先に事情を説明したら後は追々してくれるだろう。町の皆には時間が必要だとは思うが」
「ご迷惑をおかけします」
「気にしないで良い。君も町の住人の1人。救わなければならない被害者だ」
ユーリがそう言うとニコリと笑って見せた。
確かに初めて見たときは、その容姿から歳下、幼いと思わずにはいられないが、ここまで凛々しさを出されてしまえば、ギャップが激しすぎる。それに、一回り回って格好良いとも思えるのだ。
「なら、とっとと向かうか。チサちゃんともヤれるかもしれんしな!」
「それは、許さんだろうな……、あの町長なら」
「最低……」
ユーリは、あの町長の顔を思い出し、ランスの言葉を否定した。
マリアは、さっきまでのユーリを見ていたから、思わずランスにそう言っていた。見れば見る程正反対と言って良い2人だと思っていたようだった。
〜カスタムの町 町長の家〜
家の前についた一行はノックをして、中へと入る。普段ならチサが出迎えてくれるのだが、どうやら今は留守のようだった。そして、部屋に入ったその時だ。
「うわああああ!!! ラぁーーーンスぅーーーーっ! ユぅーーーーリぃーーーー!!」
「うおあっ!? なんだ、なんなんだ、暑苦しい!!」
まるで、抱きついてきかねない勢いでこちらに迫ってくるガイゼル。
……普段は床に伏している彼が立ち上がって迫る……など、よほどの事態が起こったのかもしれない。……が、凡その見当は付いていた。この男がここまで取り乱す事態は1つしか考えられないからだ。
「チサちゃんは何処に行ったんだ?」
ユーリがそう言うと、ガイゼルは涙を思いっきり流しながら。
「うぉぉぉ!! そうなんだぁ、大変なんだぁぁ! 娘のチサがあの魔女達に攫われた! 攫われてしまったんだぁぁぁ!!」
「なんだとぉぉ!? そ、それでは今頃……きっと目も当てられない姿に……、ああ……」
「ぎゃああああ!!! チィィィサァァァァ!!!!」
「アホ……、無駄に煽るんじゃない」
ランスのせいで、声のボリュームがMAXを超えてしまったかのように叫びを上げていたガイゼル。チサの事が心配でいても立ってもいられないようだ。だが、納得してない者もいた。2人の後ろに隠れていたマリアが前へ出てきたのだ。
「ちょ……ちょっと待って! それって何かおかしいは。チサちゃんを攫うなんて私、聞いてないのに。それはいつの話なの?」
「ん!! お、お前は、うわぁぁぁぁ!! ランスぅ! ユーリぃー! 敵だ、マリア・カスタードだ! 殺せ、倒せ、敵だ、敵だ!」
「こらおっさん! 早とちりをするな!」
「少し落ち着け
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