暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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ょっと言い方ってのがあるでしょう。……まぁ、とりあえず始めましょうか。私の事はもう、知ってると思うけど、マリア・カスタードよ」

 苦言を呈するマリアだったが、ランスにはもう無理だと早々に諦める。

 なぜなら、ユーリとの言い合いも何度も見ているし、彼と言う性格ももう知っているつもりだからだ。それより、何よりも今は事件の全貌を話す事が大事だと判断したのだ。

「私達は、町の守護者になる為にラギシスに魔法を教わっていたの。……その辺りの話は聞いてるの?」

 マリアがそう聞く。
 勿論、その辺りの話はあのラギシスの言葉と寸分も違ってないのだ。問題はその後の話だ。

「それは聞いている。……食い違いがあるのはその先の事だ」
「……そう、わかった。細かい所は省くわね。……聞いた感じじゃ、ラギシスに都合の良い話に変換されてるみたいだし。……私たち4人は必死になって修行したわ。私とランは、町を守りたかったから、ミルは強い実姉に憧れてて、そして 志津香は純粋に魔力を求めて。……いや、あのコは何か別の事の為に魔力を求めていたって感じだった。……でも、一貫して同じなのは、皆がこの町の事が好きだって事。その想いは一緒だったわ」
「聞いてる話がまるで違うではないか。頼りにならん情報だな」

 ランスが眉をひそめる。マリアが言ってる言葉が本当ならば、何故彼女達は町を地下へと沈めたのだろうか。好きだ、守りたい、といっていた町を沈め、 迷宮のモンスターの脅威に曝している。それの行為はまさに本末転倒であろう。

 ランスはまるで見当が付いてないみたいだ。

 だが、ユーリ自身は 大体の想像はつく。全ては逆なのだと言う事が。

「あ、自慢になっちゃうけどね? ここ数年の徹底した修行の甲斐もあって私達は強くなったわ。生半可な冒険者には引けをとらないくらいにね」
「がはは、何を言っておるのだ。オレ様にコテンパンにヤラれたではないか。あの程度で魔女を名乗るとはおこがましいわ」
「ちょっと! 茶化さないでよ。(……薄っすらとだけど、ユーリさんが敗因だって覚えてるけどね) えっと、それでね、事の始まりは今から半年前、ラギシスは私達に卒業証書だといって全員に1つずつ指輪を渡したの。それが、この指輪」

 マリアは右手を差し出し、握っていた手のひらを開く。そこにあるのは、今だ青い輝きを失っていない指輪。先ほどマリアの指輪から外れたフィールの指輪だ。

「と言う事は、お前達が盗んだのではなかったのか?」
「ちがうっ!! ラギシスの方から渡してきたの! 『これは魔力の上がる指輪だ、町の守護者となったお前達が持つのに相応しい』 そう微笑みながら渡してきたのよ……、でもこの指輪は着けてはいけない物だったのよ」
「着けてはいけない物……成程な、だからか」
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