暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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た宿屋はあったのだが、地下に沈んだ後、モンスターの襲撃で今は建物自体が崩れてしまったのだ。その事があってから、元々は宴会場、酔った客の介抱用として利用していた部屋を簡易宿として、依頼を受けてくれた冒険者達に開放していたのだ。

「狭い! 狭すぎるぞ!」
「そこまで言うか? 8畳はありそうな部屋だぞ?」
「オレ様に相応しくない部屋だ。よし、ユーリ。デカイ部屋買え」
「無茶言うな。買えってなんだ! そこら辺でアイテム買ってこいとは訳が違うぞ」
「あー、その辺りはカンベンしてくれない? 元々用途が違う部屋だし、でもユーリさんが言うとおり8畳はあるから。前のバード冒険団もここを利用してたし」

 エレナが言うのはバード冒険団の話。ネイ自身はもう、この町にはいないようだ。

「ネイは大丈夫なのか?」
「ええ、彼女は沢山アイテム屋で、冒険必需品を買っていってたし、自分の町に戻る為の公共機関を利用するお金もあるって言ってたから大丈夫でしょ。……でも、メチャ不機嫌だったよ? 何したの? ユーリさん」
「俺は何もして無い。とばっちりを受けかけただけだ」
「がははは!!」

 ユーリの言葉の裏で盛大に笑うランス。結局何をしたの?とエレナは聞く。

「がははは! ナニだ。勿論!」
「はぁ……」
「そ、それじゃあ、ごゆっくり〜」

 エレナは、ランスの言葉を聞きそそくさと出て行った。
 あの怒り方は今でも目に浮かぶようだった為、かなり印象に残っていた。その原因が《ナニ》 その意味もだいたい把握。
 
 ……とりあえず、仕事に戻った方が良さそうだと、エレナは戻っていったのだ。

 そして、エレナが出て行った後、部屋に入ってこれない様に、施錠をする。
 今この場にいるのが誰なのか……、それがバレてしまえば、町は恐らくパニックになってしまうだろう。

「ふぅ……、部屋でこれは暑かったわ」

 マリアはそう漏らしながらコートを脱ぎ去った。
 そう、町をこんな姿にした犯人の1人がのうのうと、町を歩いている姿を見れば、街中がパニックになってしまうのは、簡単に想像が出来るのだ。だからこそ、フード付きのコートを羽織り変装をしていたのだ。

「暑くないの? その格好」
「……慣れた」
「がははは。必死に暑さに耐えてるのだな! 良いではないか! 素顔くらい ばーんっ! と晒してしまえば」
「……うるさい」

 ランスがまたまた、空気読まない発現をするから、早々に話を進める。


「それじゃあ話を頼めるか? ……そうだ、まずは、自己紹介からだな。オレはユーリだ。見て判ると思うが冒険者をやってる」
「オレ様は、空前絶後の超英雄のランス様だ。そして、今どっかに飛ばされているのが、無能のバカのシィル」
「あのね……、もうち
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