暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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いたようだ。

「っっ……、ああ すまない」
「ちょっと、アイツがあんなんだから、貴方がしっかりしないと、あのコだって大変じゃないの?」
「ああ、そうだな」
「ってコラ! しれっと何言ってるのだ! マリア!」

 ランスも聞いていたようで、マリアにそう言っていたが、今の印象から考えたらそういわれても仕方がないのである。

「じゃあ、一度町に戻って今後の方針を決めましょう。事件についての詳しい話もそこでするわ」
「よし! それでいいだろう! シィルめ、待っていろ。がははは!」
「あの時、シィルちゃんを1人にすべきじゃなかったな。……失策だった」
「馬鹿者! シィルなど、オレ様に掛かれば楽勝で見つけられる! それに、オレの様の奴隷はそんなやわでは……、と言いたいが まあ、死なない程度にはやわじゃないのだ!」

 ランスはそう言って笑っていたが、誰がどう見ても、ユーリと2人にするのを心配していたとしか見えない。マリアもそれは判っていたようで。

「ほんっと、素直じゃないのね」
「そう言うヤツだ。……が、ヤル時はヤル男だ。……いろんな意味でな」
「そのいろんな意味、が 私には正直いらなかったわよ。……痛かったし」

 マリアは思い出したくもなさそうに頭を振り、内股にしていた。初めての痛みは やはり苦痛だったのだろう。自業自得だ、とも言えるが それはマリアから全てを訊いた後にしたほうが良いだろう。

 そして、一行は一度 町へと戻る為に帰り木を使い帰還したのだった。

 ……勿論、帰り木はユーリの物であり、ランスはさっきまで言ってた言葉は勿論忘却の彼方。ユーリもその事は重々承知であった為、別に突っ込んだりはしてなかった。
 時間の無駄だから、と思っても仕方がないのである。







〜カスタムの町 酒場〜


「は〜い! いらっしゃ〜〜い! ……あれ? 皆良かった〜! 無事みたいだね? ……あれれ? あのゴッドオブへヤーのコは一緒じゃないんだ? それにそっちのコートの人は新顔さんかな?」

 酒場に入ると、エレナが元気に声を掛けてくるが、直ぐに首を捻っていた。それもそうだろう。シィルがいなくなり、その代わりにコートを身に纏った人物を連れているのだから。何よりも迷宮から帰ってきて仲間が入れ替わる自体に若干驚いているようだ。

「がははは、あいつは役立たずだからな! 迷宮に捨ててきてやったわ!」
「……その発言、酷過ぎじゃない」
「本心じゃないって、っとと、それより宿泊用の奥の部屋空いてないか? もしくは、団体客用の大部屋でも構わないが」
「あーはい。大丈夫ですよ。奥の部屋があいてます! では、三名様ご案内です!」

 今は酒場兼宿屋を営んでいる。本来はカスタムの町にはちゃんとし
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