第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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ら、店前の掃除をしていたようだ。
「ああ、とりあえず用は済んだからな。すべき事もある。とりあえず、使わせてくれてありがとう。店長にも伝えているよ」
「あ、うん。大丈夫大丈夫!空いてる時ならいつでも使ってよ!」
箒を片手に、掃除をしていた手を止めてエレナは笑顔でそう言っていた。ランスとユーリの後ろに隠れるように付いてきているのがマリア。
エレナは、そのマリアをチラリと目線を向けた後、ランスの方を向き口を開いた。
「それで、また迷宮に潜るの?」
「うむ! 魔女達にはきつぅ〜〜いお仕置きをしてやらんといかんからな! がはは!」
「……後3人だよね? 頑張ってね!」
「ッッ!?」
エレナの言葉を聞いて思わずマリアは動揺し、身体を揺らせていた。ユーリは頭を一掻きした後、エレナの方を向き。
「まあ、そうじゃないかとは思っていたよ」
「当然! 私達が何年の付き合いだと思ってるの? ……カスタムは田舎町なんだし、住人同士のつながりって結構深いんだからね?」
どうやら、先ほど案内された時に何かを感じ取っていたようだ。
本来であれば、店主には勿論依頼人でもある町長に報告に行くのが筋だが、そうしなかった。……冒険者と一緒にいると言う事もそうだし、何より彼女達が迷宮に篭っている間。こんな事は一切無かったんだ。
この冒険者達が彼女を連れ出してくれた。そして一緒にいる。……もう彼らを信じられるから。そして、マリアの事も、ずっと信じていたんだから。
「ちょっと待ってね」
エレナは足早に酒場へと入ると、カウンター席の奥の棚に置いてある小瓶を1つ手に取る。冒険者に簡易宿として提供していた時、置くようにしていた物だ。それを片手に、マリア達の方へと戻って手渡した。
「はい。……回復役だよ。一緒に行くつもりなんでしょう?」
マリアは手渡されたが、まだ動揺を隠すことは出来ない。
「あ、う……、その……」
上手く口が回らない。
その姿を見ただけで、エレナは満足そうだった。……訳があるんだと、核心できるからだ。
「詳しい事情は後で良いわよ。……他の皆を必ず助け出してきてね」
「……うん。エレナさん。ゴメンね。そしてありがとう……」
フードで顔を隠しながら嗚咽するマリア。そのマリアの頭を優しく撫でるエレナ。こんなに傷ついているんだ。……そんな人はきっと彼女達だけではないと思える。
エレナが言っていた『住人同士のつながりは深い』と言う言葉。
彼女達を信じている者はまだ、いる筈。帰りを待っている人も。
「……町長に事情を早めに説明する必要があるな」
「がはは、あの親バカが理解出来るかどうかわからんが、俺様は美少女の味方。そのくらいはしてやろう!」
ラ
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