第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
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ユーリが腕を組み判ったように頷いた。
「おいコラ。下僕の癖にわかったつもりでいるんじゃない。説明せんか!」
「……ちょっとは、自分で考えろっての。ラギシスが自分自身に着けなかった理由を考えていたんだよ。……そんなに魔力が上がるのなら、なぜ自分は着けなかったのか、とな。……あの規模で上がるのなら、たとえ4人がかりでも、そう簡単に負けたりしないだろう」
「それはあると思うわ。……そこから判ると想うけど、全てはアイツが元凶なのよ!」
「ふむ。あのむさ苦しいジジイか」
元々、聞いた事もなく、且つ効果が伝説級の効果を持つ指輪。
そんな代物を一個人が保有していると言う事は、やはり不可解である。ユーリが先ほど言ったが、魔力が数倍も上がる指輪であれば、まずは自身に着けてみたいと思うのが魔法使いとしての心情だろうとも思えるのだ。町を守ると言う意志があるのなら尚更だろう。
「それよりも、その指輪だ。着けてはならない、と言うのは呪いの類がかかっているのか?」
指輪の効力、数倍にあげると言う言葉自体は疑わしいものだった。
……が、実際に戦ってみて感じた魔力の高さと初級魔法の連発、中級魔法の高速詠唱。更には上級魔法まで使いこなす技量。それを感じてしまえば、疑いようのない事実だと思えた。
だが、装着者であるマリアが≪着けてはいけない物≫と言っている以上、何かしらのデメリットがあるのは、自明の理と言えるだろう。
「その通りよ。……発端は、志津香が気づいてくれた事からだった。彼女が偶々ラギシスの部屋の前を通りがかった時に、アイツの独り言を聞いていたから。それを聞いた時、私達は唖然とした……」
「ええぇい! 勿体ぶるんじゃない! さっさと続きを話せ」
「……この指輪は、魔力を与えるだけじゃない。……装着者の魔力を吸い上げて成長する恐るべき指輪だったの!」
マリアが忌々しそうに、自身の手の中にあるフィールの指輪を睨む。
「……与えるのに奪う?」
「着けてる間だけ、ね。でも これを外した瞬間にその装着者の魔力を根こそぎ持っていってしまうの。指輪の力が最大になるのは10人分の魔力を吸い取ったとき……4つの指輪は、既に9人分の魔力を吸い取った状態だったわ」
「成程な。……最後の10人目として選ばれたのが君達か」
「そう。……アイツは、最後の媒体になる4人の魔法使いを探す為に、器から作り上げる為に、魔道塾を開いたのよ」
「ほぅ。ラギシスは育ての親でもあったんだろう? つまり、あいつは指輪を回収する為だけにお前達を育てていたと言うわけだな?」
「そう、その通りよ。そして事実を私達は知ってしまった……。許せなかったの。私達は信じていたのに……」
マリアは唇を噛み締めていた。
親も同然に慕っていたのに、裏切
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