暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第16話 指輪の真実
[2/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

「ん? 調査?」
「ら、ランス様……、ユーリさんはさっき戦ったばかりで、今直ぐには……」
「馬鹿者! オレ様が出来ると買っているのだ。よもや出来ないとは言わないだろうな? ユーリ」

 ランスはそう言う。
 本心では、シィルの反応が怪しくて離したいだけなのだろう。

 正直、見え見えの甘甘だ。

 ユーリは、両手をすっと上げると。

「大丈夫。戦ったって言っても楽勝だし?」
「ぅぐっ……。」

 ユーリはわざとマリアに聞こえる程の大きさの声でそう言う。さっき、子供と言われた事……音に思っているようだった。

「でも……」
「大丈夫だって、帰り木持ってるし、何より……より、判る。判ったんじゃないか?」
「え?」

 シィルは首をかしげた。
 ただ純粋に、戦いが合って直ぐに奥に行くのは危ないのでは?と思っていただけであったが、ユーリは違った。

「(……ランスが君を想ってるってこと。話しているだけで嫉妬する程にな?)」
「っ!! ぁ……///」

 軽くユーリは、耳打ちをする。
 シィルは、少し身体を震わせつつ、更に頬を紅潮させた。

「(……やれやれ、この娘も結構鈍感だな)」

 ユーリはそう思いながら、ランスに言われたように奥へと進む。


 ……だが、ユーリもはっきり言えば、人のこと言えないのである。

 他人の事はわかっても、自分の事はわからない……そんなものだろうか?




「へっくしゅん。」
「へくち……。」
「くしゅんっ!ですかねー……?」



 とある場所で、くしゃみをしている人たちがいた気がするのであった……。

 そして、今後……恐らく増えていく事だろう。それは近い未来に。







 そして、ユーリが奥へと向かっていく時の事。研究所から ワンブロック程離れた所だが、盛大に聞こえてくる。

『いーーやーーーっ!! でかいーーーっっ!!』
『がははー!! これがオレ様のハイパー兵器だーっ! お前の発明品よりも強力だぞーーっ!』
『うきゃああっっ!!』

 あっという間にマリアの叫び声と、ランスの訳が判らない声が響き渡る。正に、これからお楽しみが始まるのだろう。(ランスだけの)

「はぁ……、あれじゃ確かにシィルちゃんも可哀想ってものだな」

 ユーリは、マリアの絶叫に似た声とランスの声を聞きながらそう思っていた。
 まぁ、なんでランスの事を好きになったのかも軽く疑問に思うが、それは置いておくとする。恋は盲目とも言う。何より、今の時代が……、と言うのも恐らくは、あるのだろう。

「それより……。」

 ユーリは、歩きつつ目を閉じた。何度も思い起こすのだ。

 そう、この場所に来た事がある
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ