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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第十六話
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。いや、本当に素晴らしいものなんだって。
 んで、つい最近そのフォルダの中にあこがれの先輩ともう一人のクラスメイトの水着姿も増えている。あ、当然ながら本人の許可は取ってからである。取らずにそんなことをすればどんな夢を見せられるか分かったもんじゃないし。

「話を戻します」
「どうぞ」

 俺とティアの中で自然と決まったこと。このやり取りが行われたら脱線分の会話は全部無視して話を戻す。というわけで、先ほどの話に戻ろう。

「それにしても、不思議な事件ですよね。死体は明らかに車などの高速で動けるもので引きずられたようになっているのに、そう言ったもののタイヤの跡などは一切ない」
「バイクか車か、何にしてもそう言うものでないと不可能なのにそう言うものの痕跡はないんだからなぁ」

 本当に不思議な事件である。普通にありえない。で、あり得ない事件ってことは……

「……なあ、ティアさんや。ふと気になったんだが、こういう事件が都市伝説になることはあるのか?」
「そう、ですね……犯人が不明である事件が都市伝説となる有名なものと言えば、『ジャック・ザ・リッパー』がありますね」

 ジャック・ザ・リッパー。切り裂きジャックなんて言い方の方が有名そうなものなんだけど、確かにあれも犯人不明からいろんな形で噂が流れている事件だ。と言うか、今でもそう言う憶測はありふれている気がする。

「あの事件そのものは猟奇殺人犯によるものとして片づけることもできるのですが、都市伝説として考えると、様々な表情を見せます」
「ふむふむ」
「犯人についていえば、その正体は子供であるとか貴族であるとか呪われた道具であるとか……驚くくらい色々と存在しますから」
「つまり、それは……そういうこと、なのですか?」
「そう言うこと、になりますね」

 ああ、やっぱり……もし仮にロアとして出てきたら、強力、では済まないような相手になっていかねない、ということか。出来ることならば出会いたくない。いや、相手が美少女だっていうんならむしろ出会いたいもの。しかし殺される可能性を考えるとそれは……

「難しい選択だな……」
「ふふっ、カミナ君の考えることは分かりやすいですね」
「そんなにわかりやすいでしょうか?」
「ええ、分かりやすいです」

 むう、それは少しばかり恥ずかしいな……。

「そして、そういった『殺害系』の相手の場合、戦闘で勝ち目がない可能性もありますから。十分に気を付けてくださいね?」
「は、はい。わかりました」

 いつかは、そう言う相手と遭遇することがあるのかもしれない。
 俺がとても不思議な境遇となっているのは確かなんだけど、まだ基本的にはただの高校生に過ぎないんだ。そんな俺が、戦闘で殺しに来る相手に遭遇したのならどうしたらいいん
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