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異界の王女と人狼の騎士
第四十話
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を浮かべ、衣服を漆多の足下に投げ捨てた。

「おい、漆多の手錠を外してやれよ。それから、下着とかは無いのか? 」

 一斉に連中が笑う。
「とりあえず隠せればいいだろ? よーし、カウントダウンだ」

「え、なに、そんな」
 漆多が慌てて手錠をはめられたままなのにズボンを履こうとする。足が縛られているのにズボンなんてはけるはずがない。ズボンが引っかかってそのまま後ろに転倒し後頭部を痛打した。
 ゴンという鈍い音。
 漆多は全裸のまま転倒したから、局部全開になっている。もはや性器だけでなく肛門までおっぴろげになっている。
 連中は大笑いだ。 

 俺は漆多に近づき、起こしてやった。そしてコートを彼の肩にかけた。
「触るな……」
 呟くような声で彼は俺を見た。恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらも、俺に対しては完全に心を閉ざしているかのようだ。

「さあさあ、あと4分30秒で追跡が始まるぜ」
 その大声に反応して、漆多の顔が青ざめていく。

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