第四十話
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い。
「さてと、月人君。茶番はおしまいだ。……これからはゲームだ。今から5分だけ時間を上げる。その間に君とその女の子、ついでに漆多君はできる限り俺たちから離れなければならないんだ。5分過ぎたら俺たちは追跡を始める。……そして」
とそこで間をおいて、俺と王女を交互に見る。どうだ、これからとんでもないことを言うぞといった感じで勿体ぶる。
「ゲームの始まりだ」
「ゲームだゲームだ」
「ゲームゲーム」
「うっひょー」
「まったく、大変だね! 」
連中が奇声を上げる。狭い地下室では音が反響してうるさい。彼らは奇妙なステップを踏んで部屋の奥へと言ったかと思うと、何かを持って帰ってきた。
それを見たら、数日前の俺なら蒼白になっていただろう。
鉄パイプ、木刀、日本刀、ハンマー、チェーン……どう考えても夜中に集まった高校生が持つにはふさわしくない凶器だった。
「俺たちはハンターだ。で、お前達はモンスターだ。双方戦わねばならない。……それを人は宿命と呼ぶ。狩らねば俺たちが殺される。情けは無用。これは命をかけた真剣勝負なんだ」
興奮した口調で男が話す。
「俺たちに捕まらないように必死に逃げないといけない。そして捕まりそうになったら、命がけで戦わなければならない。俺たちは本気で君らを殺そうとするぞ。特にその女の子は間違いなく輪姦されるぞ。児童だけどそんなの関係ない。どうせ死ぬんだからな、少々酷い目にあってもそれはやむを得ないんじゃないか。がんばってくれ」
圧倒的優位な立場にいるからか、恐ろしいまでに高圧的に語る。
蛭町は俺のことを伝えてないのか? 知ってたらこんな態度には出られないはずだ。それよりも、蛭町はあれほど痛めつけてやったというのに、またやられるという可能性を考慮してないのか? どういうことなんだろう。
「俺たちには武器は無いのか? 」
とりあえず聞いてみる。
男は首を横に振った。
「モンスターが武器を持ってるなんて聞いたことがないだろ? 」
当たり前のように言うんだなあ、こいつら。……でもまあ良かった。ちょっとは手加減してやろうと思ったけど、うん、これなら必要ないな。ボコボコにしてやろうっと。
背後では男達が自分の獲物をそれぞれ手にして、ウオーミングアップをしている。木刀を降る音が聞こえる。鞘から抜かれる刀身の音まで聞こえてくる。
「さあ、始めようぜ! 」
スタートスイッチを入れようとする男に、俺は少しあきれながらもお願いをした。
「漆多に服を着せてやってくれないか。手錠も拘束具も外してやってほしい。でないと逃げられない」
「ああ、良いだろう」
男は仲間に目配せをする。一人が部屋の奥に捨てられていたコートとズボンを持ってきた。蔑みの笑み
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