第2章 反逆の少女たち
第15話 敗北の魔女
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剣を渾身の力で叩き込んだ。
相手は彫像の為、多少は斬りにくいようだが、ランスの一撃の重さで一気に頭が粉々となり、最後に頭を失い、身体も破損させたその彫像は、その身体をズシャリと地面に倒していた。
「ふん! 像如きがオレ様に勝てるものか!」
そう言いながら剣をぶんぶんと振るランス。
「さすがです! あ、ユーリさんの方へ援護しないとっ!」
シィルが慌てて、ランスの援護からユーリの方へと向かおうとしていた。自分の主を先に援護していた事は、まあ褒めないでもないと思っていたが、すぐさまユーリの方へと向かう事に少しむっとしていたが、ユーリがまだ戦っている事実を知り、少しだけいい気分になっていた。
ユーリと言う男のスタイルは速度重視。
同じ相手と戦って先に勝ったのは自分だ。
つまり、自分にはまーーったく及ばないと言う事を証明できたのだと思っていたのだ。……シィルが援護に回っていた事は、この際は考えない事にする(ランス独断)
「がははは! このノロマめ! この程度相手にどれだけかかっているのだ!」
憎まれ口の1つでも言いながらランスはユーリの方へと見る。すると、まだやはり彫像は健在であり、姿もそのままであった。だが、ユーリは背を向けている。
「ユーリさんっ! 後ろ、危ないですっ援護します!」
シィルは、ユーリの直ぐ後ろに佇んでいる彫像を狙い、炎の矢を撃とうとするが。ユーリは手を振った。
「構わないよ。シィルちゃん。もう、終わっている」
「何を格好つけとんのだ。やっぱガキか?」
「……久しぶりにお前の口から聞いた気がする」
ユーリはこめかみ辺りに四つ角を作って目を瞑るが、とりあえず コイツの言う事だと無視する。
「格好付けてるわけじゃない。ただ、事実を言っただけだ。もう、終わっている。と」
「何言ってるのだ。相手はまだ後ろに……」
ランスがそういった直後。彫像にヒビが入っていたのだ。そして、そのヒビ、隙間から光りのようなものが発生すると……。
「爆砕」
ユーリがそう言い、剣を鞘に収めた瞬間。
彫像の内部から爆発が起こり、粉々に破壊してしまったのだった。
「す、すごい……、どうして?」
シィルは突然、爆発した像を見て思わず絶句していた。戦いを初めから見ていたわけじゃないが、間違いなくユーリは、爆発前には何もしてなかったし、寧ろ後ろを向いていたのだ。
「(やっぱり、ユーリさんは魔法を……)」
そう思わずにはいられなかった。だが、ランスは驚かずただ鼻息を荒くして。
「ふん! 遅いのだ!」
そう苦言を言っていた。
「あんま無茶言うなよ。この手の相手は硬いんだから」
そう言って首を振っていた。ランスも
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