第2章 反逆の少女たち
第15話 敗北の魔女
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える事はおろか、会う事すらできないわね」
「成程……。貴重な情報感謝する」
「なに……、これはアイツらにも話してるから、多分アイツらも同じ場所を目指してるって思うよ。鍵探すとか言ってたから」
「地底湖をか? ふーむ……。出来なくないが、やや面倒だ。よし」
ユーリは何かを思いついたようで、ネイの方へと歩み寄った。
ネイ自体はさっきの事があるから、警戒をしているようだが、ユーリは苦笑しつつ何もしないと宣言。実際何もしてこなかったから、信頼しても良いと判断し力を抜いていた。
「オレも一度カスタムの町へ帰ろうと思うからな。帰り木を一緒に使おう」
「……ああ。私に元気の薬とかを使ったからか。なんだか、悪いな」
「違う違う。丁度いいアイテムが売られていたことを思い出しただけだ。ストックはまだあるから、気にしなくていいさ」
そう言うと、2人は 帰り木を使用し、この迷宮から脱出した。
〜カスタムの町 アイテム屋〜
ユーリは、ネイと別れた後、トマトが経営しているアイテム屋へと戻ってきていた。
先ほど棚で≪蒸発の実≫が売られている事に気が付いていたからだ。
だが、必要無いものだと思い買わなかったが。
蒸発の実と言うのは名の通り、水を蒸発させる実だ。地底湖で鍵を無くしたと言うのなら、水が邪魔だろうと考えた。
「いらっしゃいませですかねー? あっ! ユーリさんっ!」
アイテム屋へ顔を出すと、トマトが笑顔で寄ってきた。いつも通り、語尾に《?》を入れるのも忘れていない安定ぶりだ。どうでもイイが。
「戻ってきてくれたと言う事はもう、運命ですかねー? さぁ、私と一緒に、めくるめくる大冒険をっ!」
なんだか無茶な事を言い出したので、とりあえず頭を叩いておく。仕事もあるし、何よりレベル1の者を妄りに連れて行くわけには行かない。
「色々とあってな。……蒸発の実はあるか?」
「蒸発の実? あーはいありますよねー? さすがユーリさんですかねー。後、在庫が1つでしたかねー?」
トマトは とて、とて、と 走って棚に向かい、置かれていた実を取り出した。
「でも、こんなの何に使うんですー? 水害があるわけでも無いですのに? カスタムは地下に沈んじゃってますですから、雨が降ったら大変だと、持っていたんですからねー?」
「水害……か、それと似たようなもんだ。とりあえず、頂くよ。はい、代金」
「ありがとうございましたかねー?」
トマトは、そう言うとユーリを店の外まで見送りに行っていた。
見て判るとおりかなり好意的な目で見てるのだけど……。こういうキャラなのだろうと、ユーリがそう思っていたため、大した効果は期待できないのだ。……哀れトマト。頑張れ。
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