第2章 反逆の少女たち
第15話 敗北の魔女
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ネイは今にも斬りかかって来そうな様子だった為、ユーリは落ち着きつつ話を始めた。
「だが、考えても見てくれ。そのアイツ、……ランスがいなかったら、お前、ネイは本当に死んでいた。そうは思わないか?」
「ッ!? でも、それは女の子が私を助けてくれたからだ! ランスは全く関係無い!!」
「女の子、シィルはランスの仲間だ。……それに その理論で言うなら、オレも一応仲間だが、関係無いじゃないか……。それにオレにはやらなきゃならない事があるんだ。今はカンベンしてくれないか」
ユーリはそう言うと、再び懐から何かを取り出した。そして、ネイに向かって差し出す。
「って、これは……」
「帰り木だ。今日だけで色々あったんだろう? 一度体勢を整えると言う意味でもここから脱出した方が良い」
「ッ……。あ、アンタは……」
怒りに満ちていたネイだったが、徐々にそれが薄れていっていた。
ランスに出会い、下手をしたら男性不振になってもおかしくない辱めを受けたのだが、何も、全員が全員あんな屑ではない。現に冒険を共にしていた3人もそうだったから。
漸く落ち着けたネイは、表情を再び改めた。
「ご、ごめん……、私、自分が考えていた以上に、相当気が立ってたみたいだ……」
「いや……構わない。大体、アイツの性質も判ってるし……」
ユーリが頭を掻きながら、そうボヤいていた。その姿を見てネイは疑問に思う。
「……なんで、あんなヤツと一緒に冒険なんかしてるんだ?」
「今回は偶然だ。たまたま仕事がかぶった。だから共に行動をしてるだけだ。それに……」
ユーリは、ニヤリと笑って見せた。
「アイツは強いからな。それに、仕事も早く済んだら、早く町の人も安心させてあげられる。それが理由だな。まぁ、性格ばっかりは仕方が無い。アレを治すのは、わんわんに言葉を教えるより難しい。難解だ」
「そう……か。ってそんなに!?」
ユーリのたとえにネイは驚いてしまっていた。
アイツを正すの事は、わんわんに言葉を教える以上に難しいのか?と。
「ふぅ……悪かったな。確かにアンタ……ユーリを恨むのは筋違いってものだった。それに礼と言ってはなんだが、私が知ってること、教えるよ」
「それはありがたいな」
「何……侘びって事もあるし、帰り木と元気の薬。こっちの方がたくさんもらってるんだから」
ネイは笑っていた。
ユーリがネイから貰った情報。それは、マリアの第二研究所があると言う事。その場所を守るが水の彫刻だと言う事。
第一、第二のどちらかにマリアが必ずいると言う事。
そして、その部屋の鍵は、地底湖で無くしてしまったと言う事だ。
「第一の研究室は、トラップで守られているから、もうひとつの所じゃないと、彼女を捕ま
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