第2章 反逆の少女たち
第15話 敗北の魔女
[16/18]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い現象にマリアは目を見開いていた。
「な……一体何が!?」
魔力が完全に弱体し ただの水となった今、空中で留まる力も失い、雫となって四散した。マリアはまだ、認める事が出来なかった。
ウォーターミサイルは自身が使える力の中で最強。であり、上級魔法。
同じ威力も魔法をぶつけ相殺するなら兎も角、剣と翳した手であんな真似をするなんてありえないと思っているのだ。
だが、現実起こっているのだ。それでも、認められないでいた。
「今だ! 行け! ランス!!」
「ラァァンス……アタァァァック!!!」
ランスは、唖然としているマリアの眼前の地面に力を集中させた剣を振り下ろした。ランスの闘気の爆風が巻き起こり、衝撃波となってマリアを壁にまで吹き飛ばした。まるで、枯葉の様に吹き飛ぶマリア。
そして、まるでスローモーションの様にゆっくりと、地に激突する。身体がぴくりとも動かない。
「はぁ……そ、そん……な……」
マリアは、信じられない様にしながらも、最後には目を閉じ意識を手放した。
最後に見たのは目の前のランスの憎々しい笑顔。自分が負けたのだと理解させるのには十分過ぎるものだった。
こうして四魔女の一角。マリア・カスタードは敗れたのだった。
〜迷宮≪地獄の口≫奥 ???〜
ここは、迷宮内でも奥の方にあるとある部屋。
部屋の明かりはついてなく、暗闇の中に3つの影が立っていた。その輪郭は確認できるが、誰がそこに立っているのかは判らない。だが、判るのはその中心にいる人物が笑っていると言う事だった。その瞬間。火が灯り……火の灯りに揺られながら輪郭も揺れ、そして声を発した。
「……どうやら、マリアがやられたようだな」
「へぇ……あのマリアがねぇ……でも、大丈夫でしょ」
「ふふ、あのコにしては、良くやった方。……最弱なのに……ね、それなりには働いてくれたみたいよ」
妖しく揺れているその影。
火の明かりは影と同じ数だけともり、影が交差し、更に不吉な揺らめく影が生まれた。3つの影が重なり、まるで1つになったかのよう。
「でも、冒険者如きに負けるとはね……、魔女の名の面汚しよ」
「心配するな……次はこの私。玄武が相手をしてくる。……直ぐに3つの死体を持ってきてやろう」
「ふふふ。任せた」
火の1つが消えた時だ。
突然、部屋の明かりがパチッと点けられ、光りに照らされた。
揺れていたからこそ、妖しく見えていた影だったが、全体を照らされてしまえば、影も消え去り、正体もはっきりと見て取れるようになっていた。
「あ〜、あれぇ?」
そこに立っていたのは、1人の少女と2体の幻獣だった。訳のわからない様子だ。それはそ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ