第2章 反逆の少女たち
第15話 敗北の魔女
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室は、あの後水浸しで大変で、まだ片付けも済んでないし、大事な資料も全部一緒に流されて……もう! 責任取ってよね!」
「……盛大に押し流したのは、いったい何処の誰だったか?」
これまた盛大に怒るマリアだったが、誰がどう見ても、原因はマリアの水の魔法である。
そもそも、水系の魔法を使えるのは今はマリアだけなんだから。
「ふん! そんな自業自得は知らん! そんな事より、さぁお仕置きの時間だマリア!」
「降参した方が良いですよ」
「まぁ、こっちの研究室も駄目になるかもしれんし、潮時ではないか?」
全員が臨戦態勢。戦況は3対1であり、圧倒的不利な立場だったマリアだが、毅然とした態度を崩さず、視線も逸らせずこっちを見据えていた。
「ふん! 何人来ようが、この指輪を付けてる限り、私が負けるはず無いんだから」
「がはは! オレ様がその程度で負けるはず無いだろ!」
「いえ、先ほど……」
「言わないが花だ。シィルちゃん」
「あ、そうですね……チャック、チャック」
「聞こえているわ! 馬鹿者!」
「ひんひん……」
ランスに聞こえていたようで、シィルに拳骨を見舞いシィルは涙目になっていた。だが、ユーリだけはその指輪をしっかりと見据えている。
「確かに指輪の力でそこまでの魔力を得たのなら、判らなくもないが、あまり見縊らない事だ。……研究所を失ったことより、泣き目を見るぞ?」
「ふん! さっきのでまだわからないなんて、もう死ななきゃ判らない見たいね!」
マリアはそう叫びながら手を前に掲げると、その指に填められていた指輪が妖しく青く光る。明らかな戦闘体勢、戦闘開始の合図だ。
「がはは! 勝ってお持ち帰りじゃー!」
「援護します!」
「やれやれ」
3人とも一気に飛び込む。……が、
「迫撃水!」
マリアは初戦の時と同様に、水の柱を発生させる。初見であったこと。マリアの容姿を見て魔法使いと言うより研究者だと思ってしまったこと。何より場所が狭いと言うこと。それらが合った為、なす術も無く流されてしまったのだ。
だが、今は場所も状況も違う。
「ふんッ!!」
ユーリは、迫り来る水を両断。
水を斬ったというよりは、衝撃波の様なもので軌道を変えたのだ。煉獄を使っていたら遅れるのは先ほどの事で確認済みなのだ。
「な、っ……!」
まさか、水が魔法が斬られた(様に見える)なんて驚いたが、直ぐに立て直した。
「一度食らえば、そんな馬鹿正直に撃ってくるものなんぞ、二度とは食らわない。……それが一流と言うものだろう? なぁランス」
「当たり前の事を言うんじゃない! 偉そうに! だりゃああ!!」
ランスは、ユーリを飛び越えてマリアに迫るが。
「この! 水雷
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