暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第15話 敗北の魔女
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「馬鹿者!! 手を放すんじゃない!」

 シィルは思わずユーリの手を放し、スカートを?んでしまったのだ。だから……必然的に。

「きゃああああっっ!! す、すみませ〜〜んっ!!」
「こん馬鹿者が〜〜〜っっ!!」

 そんな事があって、あの勢いの水に呑まれてしまい、あっという間に流されてしまったのだった



「だから、何で道連れなんだよ……。男なら庇えってんだ」

 ため息をしつつ、ユーリはそう言っていた。以前もあったが、ランスに言っても無駄だろう。

 天上天下唯我独尊。傍若無人なのだから。

 が、あの程度の危険はアイツなら問題ないだろうと、先にマリアの研究室へと向かったのだ。行き着く先は3人とも同じなのだから。

「シィルちゃんは、心配だが……、ランスがいるから大丈夫だろう。多分」

 ユーリは、そう呟くと先へと進んだ。この場所以外にも探索する場所は無数にあるからだ。暫く探索しつつ、ランス達と合流する事にした。

 暫くしての事。

 この洞窟内で、人の気配がしたのだ。
 直ぐ近く、寧ろ走っているようで、その足音が響いてきたから直ぐに判った。もう直ぐ後ろに迫っているだろう。

「……誰だ!?」

 ユーリは、振り向き剣の柄を握り締めた。姿を現したのは、1人の女性。衣服が肌蹴ており、涙を流していた。

「ッ!! そ、そっちこそ誰よ!!」

 なぜだか怒っている女。
 その風貌から、どうやら同じ冒険者のようだ。ユーリはそれを確認すると、直ぐに数日前にこの場所へと乗り込んだと言われていたバードと言う冒険団の事を思い出していた。

「ああ、済まない。いきなりだったから少し警戒してしまった。俺はアンタと同じ冒険者だ」

 剣の柄を握るのを止め、手を挙げた。
 それを確認すると、女もとりあえず落ち着いた様子だ

「っ〜〜痛ッ」

 突然、股に両手を当てながら座り込んでいた。何やら怪我をしたようだが、外傷らしいものは見えず、衣服が乱れているだけだ。

「大丈夫か? とりあえず、無事でよかったな。アンタは、アレだろ?数日前にここにきたって言う冒険団の1人」
「あッ……。ま、まあそうだ」

 キッと睨みつけるようにそう答えた。
 なぜか、怒っているようだから、相当嫌な目にあった様だ。

「……とりあえず落ち着け」

 ユーリはそう言うと、荷物から元気の薬を取り出した。

「ほら、飲んでおけ。……こんな場所で、折角助かったんだ。どんな事があったか知らんが、気をしっかり持て。抜け出すまで 気を抜くなよ」

 ユーリがそう諭すと、どうやら、少し落ち着いたようだ。引き攣っていた表情を元に戻していた。

「あ……、すまない。アンタが言うように嫌な目にあった
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