二十五章
坂本城にて各衆への出陣風景×五条大橋にて戦闘開始
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ら、見極める事も最前線司令官の仕事でもある。そして二人と三バカならぬ三若も出陣するので、武運をと言ってからお祓いを済ませたのだった。煌びやかな軍勢はあちこちにいるが、織田木瓜の旗。その旗は風を受けて、まるで胸を張るかのような存在を天に示していた。
「おお。天下御免の者がお見送りとは。流石は一夫多妻制を持つ御方だと言われるだけあって、気遣いに長けておるな」
「棘のある言い方ではあるが、気遣いが長けているなどと言われる筋合いなどないぞ小娘」
「下につく者としては、上の者に見送られるとは誇らしい事だ。それにしても小娘と言われても自然と腹が立たないのは何故であろうな?」
「さあな。ただ単に俺と白百合ではどちらが人生の先輩なのかを考えれば分かる事。それにしても白百合の旗は三好衆のに、そっくりであるな」
「桐の紋も持っておるが、流石に公方の前で使うような無礼はせんよ。・・・・となれば、京で使うならばこの旗が一番であろうさ」
剽げた表情で言いながらではあるが、旗を顧みる白百合の目は誇らしげにあった。まあ今の所、唯一消滅対象だからなのかこの戦が終われば性質は叛骨であるからか。久遠に仕えるに足るのであれば、大人しくもしているらしいが少しでも隙があれば喉笛を噛み千切ろうと考えているそうだ。
「全くお前は相変わらずのようだ」
「ふふっ、人間でありながら中身が神なお主ならば器量は磨いておるだろうに。でなければ、織田殿と同じようにその細首をねじ切ってくれようぞ」
「そんな事出来る訳がなかろうに。そんな事を言われようが、鬼を駆逐するのが最重要任務として忘れていなきゃ良しとする。決して忘れるなよ?」
「一言一句違わずであるが、そういう距離感も心地が良いという事だ」
そう言って白百合は馬を前に進めた。そして同じように武運と共にお祓いを済ませておくが、消滅者リストに載せてあるから別に祓っても意味は無いと知っている。ヒラヒラと手を振りながら松永衆を率いて出陣していった。坂本城を出陣する部隊はまだまだ続くが、一真隊はまだまだのようだった。そしたら市の声が聞こえた。
「江北の皆ーっ!猛ってるぅーーーっ!?」
『猛ってマーーーーーース!』←巨大なカッコで浅井衆
「滾ってるぅーーーーっ!?」
『滾ってマーーーーーース!』←巨大なカッコで浅井衆
「よろし!!じゃあ鬼に占領された京の都に向けて、いざ出陣ーっ!」
「相変わらず派手な出陣の様子だなー」
「これはお兄様。江北衆、皆、京奪還に向けて猛り、滾っておりますよ」
「とは言っても、浅井は一真隊と一緒だから、先鋒じゃないだけどねー・・・・」
「後ろも前も関係ないが、鬼はどこからでも出現するんだからな。気を付けろよ?」
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