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鐘を鳴らす者が二人いるのは間違っているだろうか
33.君を想う人を忘れないで
[後書き]

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おまけ:もしもリューさんがXenoの名を冠する者だったら

「街中で剣を交えるとは、穏やかじゃありませんね……」

 瞬間、リューの瞳の奥が蒼く輝き、その中に未来の映像が浮かび上がる。
 このオラリオでリューだけが持つレアスキル『未来視(ヴィジョン)』だ。
 『未来視』は全てを語らない。ただ、運命を切り開けなかった結末を、それは映しだす。
 リューがその瞬間見たのは、男が正面から切りかかってきて自分が傷を負う未来。

「誰だか知らねえが、邪魔してんじゃねえぞ!!」
「――甘い」

 未来を読んだリューは、相手の突進に合わせて一気に背後に回り込むと、背中に背負った巨大な赤い剣――『神剣モナド』を素早く抜き放ち、叫んだ。

「バックスラァァッシュ!!」
「ガハァッ!?」

 男の無防備な背中に赤い刃が叩きつけられる。しかし、血は出なかった。
 『モナド』は魔物は斬れても人は斬れない。ただ、その有り余る力が衝突すれば人を吹き飛ばす事くらいは容易だ。ベルに絡んでいた男はみっともなく吹き飛び、壁に激突して意識を失った。

 静かに剣を背中に戻したリューは振り返り、ベルに笑顔でこう告げる。

「さあ、この調子でいきましょう」
「どこにですか!?」

 みんなの(ツッコみたい)気持ちが伝わって来たよ!!

(ゼノブレイドより、主人公シュルクの口癖「穏やかじゃないですね」より)
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