第2章 反逆の少女たち
第14話 四魔女の一角:マリア・カスタード
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いた。……もう、主君の目当てにはまるで眼中にない。
「(……ふふ、ユーリさんもカスタムにいるの、知った時、初めてランスに感謝したなぁ……)」
思い浮かべる姿は、ランスでは決してなく。
“バキッ!!”← 想像の中のランスの絵をハンマーで壊してる
ユーリである。
自身を正してくれた恩人であり、大切な人であり……初めて1人の女の子として、見てくれた人でもある。
「(ユーリさん……今の私はあなたからみたらどう思いますか?……私、頑張っているつもりですけど、うぅ……褒めてくれるかなぁ。な〜んてっ///)」
顔が緩んでしまうかなみ。
両の頬を両手で挟みつつ 想像して悶えてしまう。
「かなみ。カーテンの裏でも丸わかりですよ。あからさまにそわそわしない」
「ひゃ、ひゃいっ!!!??」
「……ダーリンっ! ダーリンっ!! 待っててね〜! 直ぐにリアが行くからね〜♪」
マリスから指摘されて思わず声を上げるかなみだった。ちなみに、そんな問答はまるで耳に入っていないリア。
あの日からリーザスは裏も表も平和な日々が続いているのだった。
〜迷宮≪地獄の口≫ 研究室〜
ランスは突然身体を震わせていた。それは、となりで見ていたシィルにもわかったようだ。
「ぶるぶる…… なんだ……? 急に悪寒がしたな……」
「だ、大丈夫ですか? ランス様」
「……ま、想像はつくな」
得体の知れないものを感じ、震わせているランスと心配するシィル。そして、自分の事以外には鋭いユーリであった。
こんなに賑やかに騒いでも、目の前の少女、恐らくはマリアであろう女性には通じていなかった。
「すまないが」
このままでは埒が明かないため、ユーリは肩を叩き声を掛けた。
「あーもう! うるさいわね〜〜!! って、ああ、っそうだったわね。」
後ろをめんどくさそうに振り返る少女だったが、姿を確認して思い出したように身体全体をこちらに向けた。
「貴方達、助手志願者よね? 今日から早速取り掛かって欲しい事があるんだけど! これが完成したら世界の戦争の形が変わる程の発明があるの!」
喜々と語る少女。目が光っているようにさえ見える。
「(助手志願者じゃないのだが……。まぁいい)ところで、その研究と言うのは?」
「え! やっぱそーよね? 気になって気になって、仕事なんて手に付かないわよね? しょうがないわねー、説明をしてあげるわよ」
まるで、待ってました!!と言わんばかりの表情だった。
ランスはランスで、やり取りは聞いてこそ無かったものの、漸く悪寒から解放されたようで、こちらに近づいてきた。
「む? そこまで凄いものなのか?
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