暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第14話 四魔女の一角:マリア・カスタード
[9/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
いた。……もう、主君の目当てにはまるで眼中にない。

「(……ふふ、ユーリさんもカスタムにいるの、知った時、初めてランスに感謝したなぁ……)」

 思い浮かべる姿は、ランスでは決してなく。

 “バキッ!!”← 想像の中のランスの絵をハンマーで壊してる

 ユーリである。
 自身を正してくれた恩人であり、大切な人であり……初めて1人の女の子として、見てくれた人でもある。

「(ユーリさん……今の私はあなたからみたらどう思いますか?……私、頑張っているつもりですけど、うぅ……褒めてくれるかなぁ。な〜んてっ///)」

 顔が緩んでしまうかなみ。
 両の頬を両手で挟みつつ 想像して悶えてしまう。

「かなみ。カーテンの裏でも丸わかりですよ。あからさまにそわそわしない」
「ひゃ、ひゃいっ!!!??」
「……ダーリンっ! ダーリンっ!! 待っててね〜! 直ぐにリアが行くからね〜♪」

 マリスから指摘されて思わず声を上げるかなみだった。ちなみに、そんな問答はまるで耳に入っていないリア。

 
 あの日からリーザスは裏も表も平和な日々が続いているのだった。







〜迷宮≪地獄の口≫ 研究室〜


 ランスは突然身体を震わせていた。それは、となりで見ていたシィルにもわかったようだ。

「ぶるぶる…… なんだ……? 急に悪寒がしたな……」
「だ、大丈夫ですか? ランス様」
「……ま、想像はつくな」

 得体の知れないものを感じ、震わせているランスと心配するシィル。そして、自分の事以外には鋭いユーリであった。

 こんなに賑やかに騒いでも、目の前の少女、恐らくはマリアであろう女性には通じていなかった。

「すまないが」

 このままでは埒が明かないため、ユーリは肩を叩き声を掛けた。

「あーもう! うるさいわね〜〜!! って、ああ、っそうだったわね。」

 後ろをめんどくさそうに振り返る少女だったが、姿を確認して思い出したように身体全体をこちらに向けた。

「貴方達、助手志願者よね? 今日から早速取り掛かって欲しい事があるんだけど! これが完成したら世界の戦争の形が変わる程の発明があるの!」

 喜々と語る少女。目が光っているようにさえ見える。

「(助手志願者じゃないのだが……。まぁいい)ところで、その研究と言うのは?」
「え! やっぱそーよね? 気になって気になって、仕事なんて手に付かないわよね? しょうがないわねー、説明をしてあげるわよ」

 まるで、待ってました!!と言わんばかりの表情だった。
 ランスはランスで、やり取りは聞いてこそ無かったものの、漸く悪寒から解放されたようで、こちらに近づいてきた。

「む? そこまで凄いものなのか?
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ