第2章 反逆の少女たち
第14話 四魔女の一角:マリア・カスタード
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「何? そんな事があったのか! 貴様! なぜ、知っているのだオレ様の奴隷のことを!」
「……もう忘れたのか。あのリア王女達と対峙する時に、言っただろうに」
「ぐ……、馬鹿者、リアの話はやめろ」
ランスは苦虫を噛み潰したような表情をしていた。どうやら、彼女の名前は禁句のようである。相当追い掛けられたようだから。
「はぃ……確かに大変でしたから」
シィルもその時の大変さを思い出しつつそう言っていた。つまり、それだけ長く鬼ごっこをしていたようだ。大変なのは、ランス達だけではなく……。
「……かなみも大変だったんだろうなぁ」
ユーリが労うのは、忠臣を目指すリア王女の側近のかなみの事。
あの時は笑顔で別れたが、その後、リアを追い続けていただろう姿を思い描いて苦笑いをしていた。
そのかなみが苦労しているであろう想像は、文句なしの当たりである。
ランスも、リアに結婚を迫られたのに随分と引きずっているようだ。シィル自身もげんなりしている様子。
……もう一度言おう。苦労していたのは、ランス達だけでなく、かなみも同様だったのだ。
〜リーザス城 王女の間〜
殆ど、同時期。
かなみは、マリスとリアに進言し、訓練を続ける時間を増やす事を許可した為、この場所にはまだ来ていない。王女の間にいるのはリアとマリスだけだった。
「へっくしゅんっ!!」
盛大にくしゃみをするリア王女。
「リア様、大丈夫ですか? ……お身体が思わしくないようでしたら今すぐにお休みになった方が……」
マリスは、心配そうにリアを見てるが、リアは軽く手を挙げて、問題ない事を伝えた。
「ううん、大丈夫。でも、それよりもダーリンの居場所は? わかったの?」
「はい。それは大丈夫です。かなみの調査の結果、現在ランス様は仕事でカスタムの町を訪れているようです」
マリスのその言葉に一気に目を輝かせるリア。
ここ最近ずっと、彼女はランスを探していたのだ。つまりは、自称:未来のリーザス王を。
「申し訳有りませんリア様。……先の件ですが、もう少し時間がかかります」
「えーー、今すぐに出発したいのに」
頬を膨らませているリア。
脚をせわしく揺すらせている所から、ほっとけば、1人ででもいきかねない状態だ。……勿論、そこまではしないが。多分。
「リア様。≪あれ≫を持たないで良いのであれば、今すぐにでも出発できますが……」
「それは絶対に駄目、だって、あれを届けたらダーリン絶対にリアの事、褒めてくれる筈! それにリアは王女だもん。手ぶらに会いに行くなんて真似、恥ずかしくてできないわよ」
……リアはランス中心で回っているようだ。
それに、マリスはランスに会いに行くため
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