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ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第14話 四魔女の一角:マリア・カスタード
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「あ……、青い髪。ひょっとして……」
「ああ、四魔女の1人、《マリア・カスタード》だな、幼い頃の写真しか見ていないが、それでも似ている。……と言うか、本人だろう。こんな場所にいると言う事を含めても」
「で、でも、私達を助けてくれました。他人の空似の可能性はありえませんか?」

 シィルがそう言うが、このモンスターがいる迷宮で悠長に暮らしていられる所から考えても本人だろう。だが、確かに彼女がランス達がかかっていたトラップを解除しているのも事実だ。そして、ユーリはその部屋へと向かった。

「本人に聞くのが早いだろう? 確かにシィルちゃんの言うとおり、オレ達を助けてくれた。悪い人間じゃなければ、話は早いんだが」
「馬鹿者!! お仕置きをするのはオレ様の役目だ! ええい! オレ様も行くぞ! 横取りするな!」
「はいはい……」

 そのまま、ランス・ユーリ、そして、やや後ろからシィルが部屋へと入っていった。




〜迷宮≪地獄の口≫ 研究室〜


 入り口を開いて見ると……、何故か、迷宮には不釣合いな研究室がその姿を現した。ここは本当に洞窟内か?と首を傾げてしまいそうになる程だった。
 机や棚の上にはビーカー・試験管が立ち並び、色とりどりの妖しい薬品が入っており、明らかに有毒では無いか?と思えるような気体を発生させていた。まぁ、これまた似合わない設備の換気扇を伝って、屋外?へと排出されているようだから問題なさそうだ。
 いやに、発展していると思える。間違いなくここの設備は町よりも。

「ここは……、駄目か。ヒララ鉱石以外の材料は」

 先ほどは頭だけを出した状態だったから、その全体の姿は見えなかったが、白衣を身に纏ってる姿で、魔女と言うより、研究員と言う方がしっくりくる姿だった。彼女は、開発の技能を持つため、今は魔法よりもそっち方面へと力をつけている。ここで、研究していたのは、新しい兵器の開発。魔法の才能を持たない戦士でも、魔法使いと同等の火力を持った遠距離攻撃を可能とする脅威の新兵器を開発していたのだ。

「うふふ。もし、これが完成すれば、戦闘の歴史が全てひっくり返るわね。……間違いないわ」

 妖しい。怪しい。
 後姿だが、その言葉だけで、どんな顔をしているのか大体は想像がつくと言うものだ。絶対に笑っている。それも目を輝かせて。


「怪しいのは、間違いないですが……、やっぱり魔女には見えませんね」

 シィルはその後姿をみてそう呟く。彼女もそう思っていたらしく、容姿からそう判断したようだ。

「……まぁ、普通はそうだろうな。だが、油断はしない事を進める。シィルちゃんも、まさか学園で仲良くなった人に襲われたなんて、その時は思いもしなかっただろう?」
「はう……。そ、そうですね」

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