第2章 反逆の少女たち
第14話 四魔女の一角:マリア・カスタード
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っと見てられない。
「っとと、のんきに構えていられないな」
ユーリは、即座に下り坂へ飛び込むと、上手くバランスを保ちながら、すべり降りた。
ランス達に追いついて見ると……。
「あばばばば!!!」
「きゃ、わきゃきゃきゃ!!」
電撃のトラップに引っかかり、痺れていた。どうやら、侵入者迎撃ように仕掛けているトラップのようだ。こういう時は、レンジャーや、リーザスで出会った忍者のもつ技能があれば最高だ。
だが、無い物強請りしても仕方がない。
「距離があるな」
当然だが、電撃のトラップ発生装置はランス達も向こう側。
そこへ行くには雷撃を通っていかなければ、解除するなり、破壊するなりは出来ないだろう。
「……問題なし」
ユーリは、剣を鞘から出すと、鍔元から切っ先までに闘気を込める。
「煉獄・斬光閃」
纏わせた煉獄の一閃。
ランス達の隙間を縫うように剣閃がトラップにまるで吸い寄せられるように伸び……。そして、真っ二つに両断した。
そして、動力源を絶ったからこそ、その雷撃のトラップも停止した。
「は、はぅぅぅ……し、痺れましたぁぁ……。ら、ランス様、いたいのいたいの、と、とんでけー……ぁう……」
シィルはまだ痺れは取れてないようだが、必死にランスに回復を施していた。
ランス自身も、そこまでダメージは負ってはいないものの痺れ自体は防ぐ事が出来ないため。
「ぐぬああ!! なんじゃ、なんでこんなとこに、こんなもんが置いてるんじゃ!!!」
当然だが、怒っていた。
怒る前にせめてシィルに礼を言えよとツッコみたい。……ああ、ツッコみたい。
「ほ、まぁ 元気そうだな」
ユーリは、二人の姿を見て軽くほっとしていた。
これが、致死性の高いトラップであれば、ここで負傷者が出てもおかしくないからだ。とりあえず、シィルが無事で、シィルの力でランスも問題なさそうだ。
「おいコラ! 助けに来るのが遅い&なぜ、知らせなかったのだ!」
「馬鹿言え! ちゃんと言ったのに、ずんずん進むからだろうが。それに、ちゃんと助けたんだ。文句ばっか言うな」
「下僕ならもっと早くにくるものなのだ!」
「だから、誰が下僕だっつの!」
相も変わらず口喧嘩を続ける二人であった。
「あはは……」
シィルも苦笑いをしていた。
自身に回復を施した後、シィルはユーリに頭の中で感謝をしていた。今言えば、まさに火に油状態になってしまうのが判るからだ。
この2人がかみ合えば……、どんな依頼もこなす事が出来る。
そんな凄い2人と一緒にいられる事。それが、何処か嬉しいようだ。まぁ、これからもランスが好きなのは間違いないようだが。
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