第2章 反逆の少女たち
第14話 四魔女の一角:マリア・カスタード
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も≪楽≫と言ってしまった代償なのだろうか。……つまり、非常に面倒だと言う事である。
とりあえず、粗方始末し更に奥へと入る。
当然、迷宮内を照らす灯りなどある筈もないから、外の灯りが届かなくなれば、迷宮に待っているのは暗闇だ。
「そろそろ、必要ですよね。明るくします」
シィルは、周囲を確認すると呪文を唱える。
唱え終えた後、小さな太陽が現れて、迷宮内を明るく照らした。
≪見える見える≫と言う初級魔法。
光りが届かない洞窟や、こう言った迷宮では非常に役に立つ魔法だ。
「これで随分と奥が見やすくなったな。ありがとう、シィルちゃん」
「い、いえ……。(ユーリさんも魔法を使う筈なのに……?)」
シィルは首を傾げつつそう思っていた。
以前、ランスを眠らせた≪スリープ≫を使った所を見ているシィルは、少し不思議に思えていたようだ。確かに種類が違う魔法だけど、スリープに比べれば本当に初級のものだから
「ふん! オレ様の奴隷ならば当然の事だ! がははは!」
ランスはそう言うと、シィルの胸を揉みまくった。
シィルは突然胸を触られ驚いてしまって軽く悲鳴を上げていた。
「おいおい……、シィルちゃんは本当に優秀な魔法使いだぞ? もっと大事にしてやれよ」
「ふんっ! こいつはオレ様の奴隷だ! だからどう扱おうが全くもって問題ない。余計な事を言ってないでさっさと奥へ進むぞ!」
そう言って、ランスは胸を揉むのを中断し、奥へと大股で進んでいった。
とりあえず、行為は終わったようだが、シィルにとってはその行為自体は求められていると言う事だから、恥かしくても多少ならまんざらでも無いようなのだが。
「あ、ありがとうございます」
シィルはユーリと目が合うと、ランスに聞こえない程の小さな声でお礼を言っていた。シィルの事を大事にしろ。と言ってくれた言葉が純粋に嬉しかったようだ。ユーリは、そんなシィルを見て軽くウィンクをした。
シィルもそれを見て、微笑む。これ以上ランスに何か言われても嫌なので、早足で後を追いかけた。
更に奥へ進むと……。
「ランス! まて、止まれ!」
「オレ様に命令を……って、んぎゃ!!」
「きゃっ!! ら、ランス様っ!!」
突然、地面がなくなっている事にランスは気づいていないようで、そこへ足を踏み入れていたのだ。勿論、穴があるというわけではなく……。
「あんぎゃぁぁぁ!!」
「きゃあああっっ!!」
かなり急角度な坂道である。
「あのバカ……、シィルちゃんを道連れにするなんて酷いだろう」
ユーリは、ランスの行動に苦言を呈していた。
そもそも、絵的に男が女を庇ったり、その逆だったりすれば、綺麗な絵だが、これはちょ
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