想いの交差点
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までの経験則だった。
「教会を放っておいたわりには、ずいぶん気前が良いな」
「ええ。私も、それなりの処罰は受けるつもりだったんですけどね。友人がかなり頑張ってくれていたようです」
その分、後が怖い。
なんて思ってから、善意には素直に感謝するべきであろうと。
プリシラに対する自分の考え方を恥じる。
が、やっぱり怖いと思って、苦笑いが止まらない。
「教会への対応はロザリアを取り戻してから考えるとして。昼間は、商隊の馬車を借りるか、歩きで戻りましょう。跳躍が一番速いのですが、速すぎる移動は関所に残る記録が不自然になってしまいますし、移動中の姿を人間に見られるのは大問題ですからね」
「面倒くせえ」
「夜までは我慢してください」
ベッドの上でダラダラと転がっているベゼドラにも苦笑しつつ。
窓際に置いてあった植木鉢を、そっと手に取る。
「私はクロスのコートの内ポケットに入っていれば良いのね?」
花弁の上に座っていたリースリンデが、こてん、と小首を傾げ。
精一杯腕を伸ばして、コートにしがみつく。
ポケットに入ってから顔をひょこっと出し「ありがとう。元気でね」と、植木鉢の花に手を振った。
「ありがとうございました」
そんなリースリンデにならい。
クロスツェルもお礼を言ってから、サイドテーブルの上にそっと戻す。
彼を見上げるリースリンデが、嬉しそうに微笑んだ。
「では、行きましょうか」
目指すは、西隣の国にあるらしい『静謐の泉』。
数千年の間、アリアが眠っていた場所。
現在もアリアが居るとは思えないが。
万が一の可能性と情報を求めて、三人は王都を旅立った。
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