第2章 反逆の少女たち
第13話 彷徨える親心
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まだ小さいものの、放っておけば国を巻き込む大事件へと発展しかねないのだ。
それを考えれば、首謀者がリア、そしてその側近2名しかいなかった、あのリーザスの一件より遥かに難易度が増したといえるだろう。
「このまま奴等を野放しにすれば、カスタムどころか、この世界その物が が危うくなるのだ! そんなことはさせてはならんっ!?」
「ふん! 自分の弟子に負ける情けないジジイめ、……が 魔女達については詳しく教えてもらおうか? 名から身体の特徴……ぐふふ、スリーサイズまでだ!」
「奴等のスリーサイズなどは知らんから答えようが無いが、答えれる範囲で答えよう」
戦士だからだろう。
魔力の増幅などに興味の無いランスは指輪の異常さなど、さっぱりなのだ。シィルは、自分自身も魔法使いであるが故に、まだ若干震えていた。ラギシスは、魔女達についての説明を始めるが。ユーリだけは違う。
……腑に落ちない点が多すぎる。
「(何よりも、其れほどの強大な力を……、なぜ本人がつけなかったのか?だな。……)」
その点だった。
己の魔法の力に加えて数倍の魔力を授ける指輪。
ならば、元々の魔力容量の高いであろうラギシスが装備すれば、下手をすればLv3にもなれていた可能性が十分にある。なぜなら、指輪を装備した4人相手に、敗れたとは言え戦えているからだ。
「(今は……何も聞かないほうがいいな。……この件にも≪闇≫が隠れていそうだ。……それも、もっと禍々しい何かが)」
これはただの直感だった。
以前ほど確信も、微塵も無い。だが、これこそが、長年自分を支えてきた冒険者としても技能と言っていいもの。この直感に救われたことも幾度と有り、信頼できるものだから。
「まずは、《マリア・カスタード》 彼女は氷雪系の中でも、水の魔法を得意とする少女だ。……いや、魔法以外でも発明・開発の素質もあった筈。……魔の道ではなく、そちらの道へ向かっていれば、開花したかもしれないな」
「ほほぅ……。だが、もっと重要な点があるぞ? その娘は可愛いのか?」
「………」
ランスの言葉はぶっちゃけ真面目に言ってるとは思えない。
……が、この言葉には自身の心に残っている何かに語りかけられているんだ。いくら、反逆をしたとは言え、……自分自身を殺した相手とは言え。
「……私の娘だ。たとえ殺されようとも……4人とも我が娘。可愛い娘達だ」
「ぐすっ……。ら、ラギシスさん……。」
その言葉に感動したのか、シィルは涙目になっていた。
子を想う親の気持ちに触れた事が……彼女の心に触れたようだった。シィル自身は、奴隷商人に売られていたところをランスが買い取ったと言う壮絶な経緯がある。
ユーリはその事は、シィル自身から聞いていた。だからこそ、自分の
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