第2章 反逆の少女たち
第13話 彷徨える親心
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。そして、時間があけば、察知したAL教等に強制的に成仏されることだってある。
「真実を頼めるか? 彼女達について。……一応依頼書は目を通したが、本人の口から聞きたい」
ユーリは静かにそう口を開いた。
4人の魔女達の事は、町では最悪だと言う事ばかり聞いている。その中でただ1人だけ、彼女達を庇う人もいた。多数決であれば、圧倒的に前者であろうが、そう物事は簡単ではないのだ。
ユーリの目を見たラギシスは何かを感じたのか、深いため息をした。
「……そうだな。どこから話したら良いものだろうか」
そうは言いつつも、自身の中で決意を固めているようだった。考えを纏め、己の思いを言葉へと変え、語り始めた。
「……私は、守護者として、この町を長い間守ってきた。それが町への恩返しだと信じてな。……が、寄る年波には勝てん。衰えが見え 先行きが不安になった私は、私の知識を、魔法の力を受け継がす為に、魔道塾を開いた。その生徒達の中で、魔法の素質がある4人の少女達を集め、後継者として、育て始めた。……私の変わりに、老い、そして死ぬ私の後を継いでもらおうと、そう考え、私の全てを彼女達に伝えたのだ。……彼女達に魔法を教えている時間は、我が人生の中でも幸福で、安息に満ちた時間であったよ。……彼女たちも日に日に魔力が増し、そして美しく成長して行く。……これが親の気持ちなのだろう」
ラギシスは、遠い目をしつつ、訥々と語る。
恐らくは、これは序盤だが、勿論そんな話をこの横にいる男が許すはずも無かった。
「長い!! 要点だけを話せクソジジイ! オレ様は、お前の思い出話を聞きたいんじゃない。そんなに話したいというのなら、壁とでも話していろ!」
「………」
まさに、バッサリだ。
確かに、ラギシスの事は同情に値するが、こちらとしてもランスの意見に同調した。この手の輩は、自分の昔話に酔う傾向が強い。……真に内に秘めている言葉なら、多くは語らない筈だから。
それも、会って間もない連中には少なくとも自分は話さない。
ラギシスもそこまでストレートに言われるとは思ってなかったようで、呆気にとられていたようだが……、数秒後 咳払いを1,2回ほどした後。
「あいわかった。……要点だけを纏め、話そう。……あの運命の日。奴等は、私の大事なフィールの指輪を奪っていったのだ」
「馬鹿者! 今度は簡潔すぎるだろ! 指輪奪ったからどうしたと言うのだ!」
「フィールの指輪か……。オレも記憶にない名だな」
ランスは鋭い突っ込みをいれ、ユーリも指輪について考える。
確かに、町の住人は勿論だが、チサたちもその指輪。妖しく光指輪については少なからず聞いていた。恐らくは、なんらかの補助アイテム。……この場で考えられるのは魔力の向上だろう。それも
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