第2章 反逆の少女たち
第13話 彷徨える親心
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将来的には、間違いなく人類最強クラスの魔法使いになるであろう素質を持っている」
これまでの説明で出てきた魔女達の頂点。つまりは実力は最強だという事だ。
「そんなに……凄いのですか?」
「ああ、魔法大国ゼスでも、これ程の才能の持ち主は限られるであろうな。……彼女が望むのならば、四将軍。……四天王でさえも夢では無いと私は考えている」
「っ……」
シィルは、その言葉を聞き思わず生唾を飲んでしまっていた。逆に、ユーリは思い出してしまう事があった。
四将軍では、2人。そして、四天王では1人。
……中でも強烈だったのが四天王の1人である。
曰く歩く厄災、曰く最強にして最狂のへっぽこ、曰く味方殺し。
考えれば考えるほど、苦笑いが、ため息が こみ上げてくる。とあるギルドの依頼で出向いていた場所で出会った少女の事を。
「はぁ……」
思わず笑ってしまっていたユーリ。一番インパクトのある相手だったからだ。彼女の前では後の2人も陰って見えると言うものだ。とは言っても 将軍の内の1人はこれまた難癖があるが。
……いや、面識が浅いと言う意味ではなく、それを補って余りあるのが彼女なのだから。
その話は置いとくとしよう。……後の話。近い未来で嫌でも出てくる筈だから。
「名を、《魔想志津香》 高火力の攻撃魔法を連発してくる少女だ。指輪の力で更にその魔力も計り知れないものになっている。……幼少期も攻撃系の魔法を好んでいた。これが私が知っている全てだ。そうだな、勝機があるとすれば、ヤツの集中力を欠かせる事だな。どんな強力な魔法であっても集中力が切れていればおそるるに足らない。性格も短気だから、魔法連発する前に悪口を連発すれば……或いはな」
「魔想……。魔想……」
ユーリは、その言葉を呟く。
確かにあの四天王と四将軍の名が出てきて多少思い出に浸っていたが、彼女の名が出てきた所で、完全に意識をそちらに向けた。そして、限りなく間違いない事も悟っていた。
「(彼女は……アスマーゼさんと惣造さんの……)」
ユーリは、一瞬だが穏やかな瞳になっていた。今はそんな場面じゃない筈なのに。
強大な魔法使い4人が相手と言うときなのに。
「……いッ! ……らっ!!」
それは、もう随分と昔の話。自分の記憶、ユーリの記憶の中では 年々薄れてきている。だが、数少ない思い出の品。写真を見ているから思い出を忘れずにいられるんだ。
「しろっ! ……てるのか!!」
……でも、だからこそ、判らない。なぜ、彼女がこんなことを?そもそも、なぜ彼女がラギシスの下で弟子に?……あの写真の彼女はいい笑顔だった。歳は……2,3歳だろうか。ユーリは、思い出の中を揺り起こしながら考えているときだ。
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