第2章 反逆の少女たち
第12話 アイテム屋で大ダメージ
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なに、この頭……」
少し触っただけで、それの奥深さが知れた。どんどんと引きずりこまれる。
「あったかくて……優しくて、それでいて心が引きずり込まれてく!? 髪の神? まさに、ゴッドオブヘアー……?」
一心不乱に、シィルの頭をわしゃわしゃと撫でる撫でる。
「ひゃ、あ、あの……あまり、中で動かさないで……」
「おいコラ! 何を人の奴隷に勝手なことをしているのだ! さっさと離れろ!」
ランスに半ば無理矢理引き離されてしまった。そんなに凄いのかと、多少は興味は持ったものの……。
「元気になって何よりだ。これが代金だと思えばどうだ? シィルちゃん。」
「あ、はい。それなら……」
「えぇい! オレ様がゆるさん! ってまて! ならば、貴様にもシィルを好き勝手されるという事ではないか!」
「別に何もしないって」
ユーリは、再びランスとシィルを見つつ笑っていた。本当に、大事に思っているのだろう。それが、もっと行動に伴えばよいのだがと思ってしまっていた。
「本当に、愉快な人だな。キミはなんと言う名なんだ?」
「え? 私ですか?」
「えぇい! 貴様! オレ様の目の前でナンパなど許さんぞ!」
「名を聞いただけだろうが……」
ランスの前では、確かにこういわれるだろうと思っていたから、これは失策だとユーリは思っていたが……、彼女が名乗ったとき、空気が固まった気がした。
「私は、《エレナ》 《エレナ・エルアール》です。ここの看板娘なんですよー」
胸を張ってそう言うエレナ。ウケ狙いだったのだが……。
「………」
「あ、あれ? 滑っちゃいましたかね?」
その名前を訊き、固まっているユーリ。
その表情は、まるで信じられないものを見ているかのようだった。
「あ、あれ? ユーリさん……?」
「貴様……! 何を見惚れているのだ! ?全世界の美少女はオレ様のものだt「そうか……≪エルアール≫そうだよな……」む?」
肩で息をしたユーリを見て、不振に思うランス。だが、ユーリは頭を振った。そして、頬を手で叩く。
「悪い。……ちょっと、酒が回ってきたようだ。……エレナさん。お冷を1ついただけないか?」
「あ、はい。解りました」
不審に思ったのは、ランス達だけではなくエレナも同じだったが……、表情が元に戻ったことから、そこまで深く考える事はせず、ユーリにお冷を渡した。
ユーリは、一気にそれを飲み干すと。
「さて……、そろそろ行こう」
「貴様が仕切るな! よし、行くぞ!! シィル!下僕1号!」
「は、はい! ランス様、ユーリさん」
そう言うと、ユーリ達は酒場の裏口から出て行った。勿論、代金は支払ってだ。……食い逃げなんて情けない事はしたくは無い。
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