暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第12話 アイテム屋で大ダメージ
[6/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
なんだよ。本当に……。良い子たちなんだ」
「………」

 ランスの言葉に上手く反論する事が出来ない。だからこそ、俯くこそしかできないんだ。

 どうやら、彼女はその4人とはそれなりに親交があったようだ。……だからこそ、違和感を強く感じるのだろう。逆にその情報は重要なものだとユーリは思う。彼女達をよく知っているのは、もうこの世にはいないラギシス氏しかいないのだから。
 
 それ以外の皆は反逆をしたと、思っている。……こんな目に合えば仕方が無いと思えるが……。

「あの迷宮に潜る前に、戦いが始まったという場所、屋敷を調べた方が良いかもしれないな。……何が彼女達を駆り立てたのかがわかるかもしれない」
「うむ。よし! シィル!」

 ランスは勢い良く!シィルの名を呼ぶ。……大体解る。次の言葉。

「金目の物があったらしっかりと盗っておけよ!」
「あ、はい……! ランス様」

 シィル自身も思っていたようで、あまり表情に出さなかった。本当にいつもの通りと言う事だ。

「ははは、楽しい人たちだね。そりゃ泥棒じゃないか。ま、冒険者なら、冒険した場所で見つけた宝は冒険者達の物、だしね。でも……、わざとそんな事言って場の空気、変えてくれたんだよね? ……ありがとう」

 そう言って微笑む。
 だけど、それは間違いである。……大間違いである。

「がははは! 女の子には優しいのだ。オレ様は!」
「(大マジだランスは)」
「(ランス様は本気なんです……)」

 ランスは大笑い。そして、気の落ちていた自分を励ます為に、ランスがわざと空気を変えてくれたと捉えたようだ。だが……、そんな殊勲な考えを持っているわけ無いと解ってる2人はただただ、苦笑いをしていた。

「町の人も、今は酔っ払っているからあんな風に言ってるけどね、彼女達を信じてる人も中にはいるんだよ。……彼女達を、最後の最後まで。……それだけは覚えておいてね」
「ああ。覚えておこう。だが、もしも彼女達が噂に違わない人物だったら……」
「……うん。その時は私の口出しする話じゃないよね。お兄さん達に任せるよ。……よし! ウジウジ考えても始まらないし! 気分を変えなきゃね!? 何か奢るよ! 私が空気を悪くしちゃったんだし!」

 明るい顔をしながら軽く背伸びをする。自身の中にずっと秘めていた思いを打ち明けた為、多少は気が晴れたようだ。

 そして、それが現実であれば……、きっと彼女は本当の意味で明るくなれるだろう。

「すいません。ごちそうさまです」

 シィルは頭を下げた。
 すると、そのモコモコのピンクヘヤーを目の前にした少女。……初めはただ何となく、お礼を言ってくれたから頭を撫でて『良いよ』といいたかっただけなのだが。

「わ、わわ!!ななな、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ