第2章 反逆の少女たち
第12話 アイテム屋で大ダメージ
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そうはいかない。
これだけの量を食べるのだから。
……動けなくなっても厄介だと感じたユーリは、セーブしつつ 道具として、食べきれないのは少しずつ残し始めていた。
幸いにも、保存がきく料理も何品かあるのだから。
「お兄さん達冒険者だね? もしかしてこの町を救いに来てくれたの?」
そんな時、豪快に食べている姿を見たのか、その風貌を見たからなのか解らないが、冒険者だという事を知って赤い髪のウェイトレスが話しかけてきたのだ。
「ああ。そうだよ。でも、あまり広めないでおいてくれると助かるな。騒ぎになっても面倒だ」
「あ……、多分心配しなくても大丈夫だと思うよ。だって、お兄さん達が、初めてじゃないからね」
ユーリがそう言うと、彼女はそう返していた。
「ふむ……。そう言えば、青年団も潜ったと聞いているが、他の冒険者もいたとはな。……と言う事は、あまり期待はされてないと言う事だな」
「なんだとっ! この英雄であるオレ様に期待しないとはどういうことだ!」
「『どういうことだ!』って、オレに言われても困るな。状況が状況だ。自分で考えてくれ」
「ああっと……、ごめんなさい。気を悪くさせちゃって……、何もお兄さん達の事を見縊ってるわけじゃないの。ただ、さっき、そちらのお兄さんが言ったとおり、青年団の皆や、他の冒険者達も迷宮に潜ったんだけど……、誰も帰ってこなくて。最初こそは町の皆も期待してたけれど、段々と疲れちゃったみたいでね」
その声は笑っている。だが……、決して表情は笑っていない。それに何処か乾いた笑みだった。この状況のせいで、町全体が暗い。人々は心を閉ざしつつあるのか、と思っていたが、どうやら違ったようだ。
期待を奪われたときに変わる絶望は期待の比ではない。大きければ大きいほど……一気に持っていかれるのだから。
「つい3日前です。4人組の冒険者たちが迷宮に挑戦したんだけど……、戻ってないんだ。確か、バード冒険団って言ってたかな? 知ってます?」
「初耳だな」
「全く知らん」
ランスは素で興味ないようだが、ユーリはそれなりには同業者については知っている。頭の中で、嘗て会った事のあるメンバーも含めて考えても……、他の国のメンバーを頭の中で検索しても……。
何度やっても≪0件≫だ。
忘れているとかそう言う違和感もないから、間違いないだろう。
「あ……、そうなんだ。割と有名な冒険団だって話だったのに。……大口だったようだね」
2人の反応をみて、頭を掻く少女。
昨日迷宮に潜ったという冒険団の事を思い返しているようだ。……だが、酷な話だが青年団と同じように、まだ生きている可能性は低いだろう。青年団たちと比べたらまだ日も浅いが、迷宮と言う場所をあまり侮ってはいけ
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