暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第12話 アイテム屋で大ダメージ
[11/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
すかねー! それなら、2000GOLD以上はするですかね?」
「いーや、違うな、こんなもんは1GOLDで十分だ。金は置いてくぞ。がはははは! わーいとーくした!」
「……悪知恵は回るな。やはり。」

 ランスはそのまま1GOLDだけをレジへと放り込むと店を後にしようとするランス。
 これなら、《?》で返す対応をする訳にはいかないだろう。

 ナイス返し技だ。相手には気の毒だと思うが、漸く解放されるのだ。ユーリは何も言わず立ち上がった。

 その時だ。トマトが出て行こうとするランスの腕を思い切りつかんだ。

「あうあうあう!!! ふるふるふるふるふるふる!!!」

 涙目になって、首を左右にぶんぶんと振る。ランスの腕を決して離しはしないだろう。なんだろう……、いぢめてみたくなる、衝動に駆られそうな感じだ。が、そんな事はいちいちしたりはしないが、助けたりもしない。
 だって、完全に自業自得なのだから。

 でも……、この状態が続いたら、中々店を出れないからユーリはランスの肩を叩いた。

「そろそろ、許してやれ。大分は反省してるだろ。中々の業物のようだ。《U》と言う冠がついている所を見ると、非売品の気もする」
「ふん! 本当に反省したのだな?」
「すみません。反省しました。……ですかね?」
「ランスチョーーーップ!!」

 トマトの頭にチョップが炸裂した。更に涙目になり、頭を抑えるトマト。

「しくしく……いたいですかね……」

 頭を抑えつつ、見上げた時だった。
 ユーリの表情が、フードで隠れていた表情を目の当たりにしたのだから。

「わぁ、随分と可愛らしいお客さんですかねー? これなら、気合入れて接客しないといけないですかねー?」
「………」

 その時だ。
 ユーリの中で、ピシリ!っと何かの音がしたのを感じていた。

「(あ……)」
「(む、そういえば、オレ様、コイツに会ってから、ガキ扱いしてなかったな)」

 ランスとシィルが殆ど同時に思っていた。
 この町に来てからだから、判らないが、ユーリの表情が見られて、且つ何か言われた事は今の所無かったから。……突然言われて、ガツンと来たのだろう。

「可愛い顔、好みですかねー? どうですかねー? おねーさんとお話しないですかねー?」

 更に更に、会心の一言(クリティカルヒット)を連発させるトマト。
 熟練の冒険者? である筈のユーリもどんどんとダメージが溜まっていく。

 ユーリは、ふるふると、身体を震わせると、ギルドカードをゆっくりと差し出した。毎日、鏡を見て成長している!!(独断)と感じていたのに、頭から否定された気分だ。

「ん……、これはなん……ですか……ね?」
「ランス、この剣。やっぱ1GOLDで売っ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ