第二百五十六話
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第二百五十六話 対立が終わって
天使と悪魔もだ、二人も天上で言っていた。確かに雰囲気は険悪だがそれでも衝突する程ではなくなっている。
「いい紅茶だったな」
「菓子もな」
「また食べてみたい」
「どちらもな」
「そうだな、全くだ」
「実にいいものだった」
こう二人で話すのだった。
「また飲みたい」
「食べたいものだ」
「私は自分でも飲みたい」
天使は言った。
「そして食べたい」
「私もだ、魔界にいてもだ」
「天界にいてもな」
「そうしたくなった」
二人供だった、このことは。
そしてだ、今度は悪魔が言った。
「それまでは休戦だ」
「そうだな、あの魔女達とも話したが」
「お茶とお菓子だ」
「あの美味い味の再現だ」
それをどちらもしようというのだ。
こう話してだ、天使はしみじみとして言った。
「実にいいお茶だった」
「お菓子もな」
悪魔も言う。
「水も茶の葉も違っていた」
「淹れ方もな」
「何もかもがよかった」
「最高だった」
「それをいつも飲みたいし食したい」
「ならな」
それぞれの世界でと話すのだった、そして。
悪魔からだ、天使に言った。
「私は最高の茶とお菓子を楽しむ」
「私もだ」
「その勝負でもするか」
「悪くないな」
天使もこう返した。
「教会の取り合いではなくな」
「お互いのお茶とお菓子の味を競うか」
「その味で驚かせてやる」
「それはこちらの言葉だ」
互いに言い合うのだった。
「ではだ」
「今からだ」
「その勝負の開始だ」
「教会の勝負は置いておいてな」
休戦してというのだ。
こうしたことを話して天使と悪魔達は教会から離れた。二人にしてもそれぞれ結論を出して戦いを終えたのである。
第二百五十六話 完
2015・7・18
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