暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
捕食者の末路
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瞬間で……」
ユウキとテオドラが、信じられないように呟いた。
「素晴らしいな……」
「ええ、ですが…」
「あぁ、甘い、な」
黒騎士は、絶叫しながら残った左腕を振るった。
凄まじい激突音が響き、レンが地面に叩きつけられていた。
「レン!」
ユウキが堪らず叫ぶ。
レンの小柄な体を覆う、正体不明の黒い霧は明らかに薄くなっている。だがレンは、その危機的状況にも関わらず、にっこりと笑い──
「後は任せたよ。ヴォルティス卿」
「任された」
黒騎士の背後、完全な死角となっているそこから聞き慣れた重低音がした。
白銀の騎士は巨大な戦斧を肩に担ぎ
「汝が天上へと誘われんことを」
誓約《
現実を否定しうる者
(
アナスタシア
)
》
眩いばかりの光をその馬鹿デカイ刃に宿らせながら、ヴォルティスは戦斧を大上段に降り下ろした。
轟音が轟いた。
「ハァ……ゼェ…ハァ………」
「ハァ……ハ、ハハ、ハハハ……」
コロリと転がった、《災禍の鎧》の首を前に、六王達は笑いを起こすだけしかできなかった。
ユウキがテオドラと手を合わせる。
隣では、ヴォルティスがヒースクリフの手を固く握っている。
シゲさんが、その側で穏やかに笑っている。
レンはそんな中で大の字に寝転がっていた。
「あぁ」
なんとなく、口から出てきた言葉。ただそれだけでも何かがこみ上げてくる。
だが、全員忘れていた。
なぜ《鎧》は消えないのか、ということに。
だから肩口に鋭い痛みが走った時も、速く対応することができなかったことは必然と言えよう。
「ガッ」
跳ね起きて、肩口を見る。
そこには、首だけになってもレンの肩口に喰らいついている《鎧》の首があった。
「はな……れろ………」
手で引き剥がそうにも、がっちり喰らいついて離れない。
そう。
《災禍の鎧》は、倒れていなかった。
ヘルメットの奥では、深紅の眼光が輝いている。
「あ……ガアアァッ!」
なけなしの筋力値で、首を引き剥がす。
ベリッ、と嫌な音を立てて引き剥がした首を地面に叩きつける。
トン
軽い音がして、シゲさんの刀が《鎧》の首の脳天と思われる箇所に突き立っていた。
ぼっ、という音とともに、《災禍の鎧》のフード状ヘルメット内部の闇が完全に飛び散った。
その奥から現れたのは、明るいピンク色の色彩を持つ髪を持った男の子の顔だった。
閉じられていた瞳がおぼろげに開いた。
唇が微かに動き、あどけなさの残る声を紡いだ。
「…ぼく…は………強く……なりたい
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