第七十二話
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える。
「………成る程な。雪蓮らしいというかなんというか………」
俺は苦笑しつつ牙突の構えをする。
「相変わらずその構えね」
「この構えが好きなんでな」
「姉様ッ!!」
その時、思春を従えた蓮華がやってきた。
………よく見たら星とクロエもいるし。
「………そろそろ年貢の納め時じゃないのか?」
「あら? それはどっちに言っているのかしら?」
頭から血を流す雪蓮が笑う。
「………行くぞ」
「えぇ」
俺達は同時に突っ込む。
「「ハアァァァッ!!」」
「止めなさいッ!!」
俺は雪蓮に突きをいれようと、雪蓮は俺に袈裟斬りをしようとした時、一人の女性の叫びが俺達の耳に聞こえた。
「「夏蓮(お母様)ッ!!」」
叫んだのは夏蓮だった。
「何で此処に………」
「この砦はほぼ袁術軍が占拠したわ。後は此処だけよ。私は美羽の許可を得て来たのよ」
夏蓮が俺達に歩み寄る。
「剣を納めなさい雪蓮。孫策軍は大半が降伏したわ」
「………嫌よお母様。私は呉の王、降伏するくらいなら私は死を選ぶわ」
雪蓮は降伏を拒否した。
「自分の首と引き替えに皆を助けたいからかしら?」
「な、何でお母様がそれを………」
雪蓮が驚く。
「私は貴女の母親よ。貴女が何をするか大体は分かるわ」
夏蓮は雪蓮にそう言った。
「………私の判断で此処まで来てしまったのよ。責任は全て私にある。だから………」
「自分の首を引き替えに周瑜達を助けようと?」
「………そうよ」
雪蓮は頷いた。
「………全く………」
俺は溜め息を吐いた。
「お前が死んだら悲しむ奴等がいるだろう」
「………雪蓮」
その時、周瑜が雪蓮に近づく。
「………ゴメン冥琳」
「お前が死んだら私はどうしたらいいんだ………」
周瑜が目に涙を浮かべている。
「………それでどうするんだ雪蓮?」
俺は雪蓮に問う。
「………袁術軍に降伏するわ」
雪蓮はそう言って南海覇王を鞘に戻したのであった。
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