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逆さの砂時計
いつか見た姿
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無意味だったな? バーカ。

「ふ……。バカバカ連発してると、ロザリアみたいだな」

 悪いな、アルフリード。前言撤回だ。
 俺は、お前よりもロザリアを選ぶ。
 こうしてお前を思い出しても、ロザリアに繋がるだけだ。
 仮に今、お前の魂があの頃のまま目の前に現れたとしても。
 もう、お前を喰らいたいとは思わない。

 ロザリアだけで良いんだ。
 欲しいのはバカな小娘一人だけ。
 ロザリアだけだ。

 …………それでも。

 夕闇が迫ってきて、刻々と空を薄黒く染めていく。
 棒切れを振り回して遊んでた子供達が、笑いながら家に向かって走る。
 その背中は、出会ったばかりの頃の強い子供を連想させた。

 必死で剣を振り回して、強くなって。
 結局はその強さを投げ棄てた、弱い勇者。

「じゃあな」

 今はもうどこにもいない、バカな子供に背を向ける。

 望む世界の為に命を懸けたヤツを見習って。
 俺も、望むものを得る為に、前へ進もう。


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