3部分:第三章
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第三章
「お花にしたらどうですか?」
「星達をかい」
「はい、お花にしてそのうえで」
「贈ればいいっていうんだね」
「それでどうですか?」
右の翼を手の様に前に出して尋ねます。
「星の花で」
「そうだね。やってみよう」
夜の神も梟のその提案に頷きました。
「それじゃあ」
「はい、そうしましょう」
こうしてでした。夜の神は星達を集めてそれをお花にしたのです。それぞれの色に眩く輝く星達に茎や歯は夜の色です。とても不思議な花達です。
そしてその花達を手にしてです。朝の女神のところに行きます。
白く輝く神に眩い笑顔を持っている女神は黒い髪に青い顔の夜の神とは正反対です。服の色も二人は全く違っているのでした。
朝の女神は白く輝いています。けれど夜の神のそれはまさに夜の色です。その何もかもが全く違う二人が今互いに向かい合っています。
夜の神の方からでした。
「あの」
「はい、何ですか?」
女神はにこりと笑って彼の言葉に応えました。
「何か私に」
「これを」
こう言ってです。おずおずとその花を捧げるのでした。
「よかったらどうぞ」
「あっ、これは」
「星です」
夜の神は言いました。
「星を花にしました」
「星をですか」
「どうでしょうか、これは」
受け取ってもらえるかどうか不安で仕方ありませんでした。けれどここまで来たらと思ってです。意を決してそのお花を女神に差し出しているのです。
女神の動きも言葉も見守ります。するとです。
女神はにこりと笑って彼に言ってきました。
「有り難うございます」
「有り難う?」
「はい、有り難うございます」
こう言ってです。その花束を受け取ってくれたのです。
そしてその手を持ってです。夜の神に話しました。
「私の朝には星はないですから」
「えっ、ないんですか」
「星があるのは夜だけですよ」
こう言うのです。
「こんな奇麗なものはないんです」
「こんな・・・・・・」
「そうです、ありませんから」
心から喜んでいる顔で、です。夜の神に言うのです。
「有り難うございます、本当に」
「有り難う、ですか」
「そうです。こんなものを貰って」
こう彼にまた言いました。
「本当に有り難うございます」
「そうですか」
「それでよかったらですね」
「はい」
「私の宮殿に来て下さい」
自分から彼を誘ってきました。
「御礼に御馳走でもさせてもらいますので」
「御馳走ですか」
「朝の世界にある色々なものも見せてもらいます」
このことも話すのでした。
「ですから。どうか」
「わかりました。それじゃあ」
こうしてでした。夜の神は朝の女神の宮殿に招かれそれから彼女と楽しい時間を過ごせるようになりました。
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